NUMMI

NUMMI (New United Motor Manufacturing, Inc.)

NUMMI（ニュー・ユナイテッド・モーター・マニファクチャリング・インク）は、トヨタ自動車とゼネラルモーターズ（GM）の合弁で、1984年に設立された自動車製造会社です。この会社は、カリフォルニア州フリーモントに位置し、日米貿易摩擦を背景に両社の意義深い協力関係が構築されました。

背景

1980年代には、日本の自動車がアメリカ市場に大量に輸出されることに対して、米国での政治的な緊張が高まっていました。このため、日本の自動車業界からは、米国内に工場を設置して自らの生産体制を強化し、政治問題化を回避するべきであるという意見が出ていました。この誘いに応じて、トヨタ自動車はアメリカの企業と提携することを決断し、GMを選択しました。双方が相互の強みを学び合うことで、新たな可能性を追求することを目指しました。

経緯と設立

1983年2月、トヨタとGMは共同で合弁会社設立に向けた覚書を交わし、翌年にはNUMMIを設立しました。NUMMIは1982年にGMが閉鎖したフリーモントの工場を引き継ぎ、1984年12月から本格的な生産活動を開始しました。この工場では、トヨタ車だけでなく、シボレーやポンティアックといったブランドの車両も製造されました。

主な生産車両

NUMMIが生み出した主なモデルには、以下のような車両があります：

• - トヨタ・カローラ
• - トヨタ・タコマ（ピックアップトラック）
• - トヨタ・マトリックス
• - シボレー・ノヴァ
• - シボレー・プリズム
• - ポンティアック・ヴァイブ（日本名:トヨタ・ヴォルツ）

これらのモデルは、両社の技術的な提携の結果、米国市場で競争力を持つ製品として認知されました。

合弁解消とその後

しかし、2009年6月29日、GMが破産後に国有化されると、トヨタとの合弁事業解消が発表されました。この決定により、NUMMIは新生GMには引き継がれず、ポンティアック・ヴァイブの生産も同年の第三四半期で終了しました。このような状況を受けて、トヨタはNUMMIの工場の閉鎖を決断しました。

電気自動車の生産へ

NUMMIの工場は、2010年からトヨタとテスラ・モーターズによる電気自動車の共同生産に利用されることになり、それに伴い「テスラ・ファクトリー」と改名されました。この新たな生産形態は、テスラの進化を支える重要な拠点となっています。

NUMMIは、トヨタとGMの合作としての成功例と、さまざまな課題を抱えた自動車製造の歴史を語る重要な存在となっています。

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