トヨタ・マトリックス

トヨタ・マトリックス：北米を彩ったハッチバック

トヨタ・マトリックスは、主に北米市場でトヨタ自動車が販売していたハッチバック型の乗用車です。その開発背景には、日米間の貿易摩擦を解消するためにトヨタが輸入したシボレー・キャバリエの販売不振がありました。この経験から、開発段階よりゼネラルモーターズ（GM）との協力体制が敷かれ、生産はカナダのTMMC（Toyota Motor Manufacturing Canada Inc.）で行われました。正式名称は「カローラ・マトリックス」であり、カローラの派生車種という位置づけでした。

初代 E130W型（2002年 - 2008年）

2002年に販売が開始された初代マトリックスは、北米市場で一定の支持を得ました。2005年にはマイナーチェンジが実施され、前後デザインが一部変更されました。同時に、高性能グレードに搭載されていた2ZZ-GE型エンジンが廃止されています。日本国内においては正規輸入は行われず、トヨタディーラーでの購入はできませんでした。ただし、GM仕様であるポンティアック・ヴァイブが、トヨタ・ヴォルツとして日本国内で販売されていましたが、2004年に販売を終了しています。

2代目 E150W型（2008年 - 2013年）

2007年10月には、SEMAショーにて2代目マトリックスが発表されました。初代モデルのショートワゴン風のデザインから一転し、2代目では日本および欧州向けの車種である「オーリス」に通じるデザインが採用されました。そのため、オーリスの北米版と見なされることもありました。

しかし、2013年に北米向けカローラセダンがモデルチェンジされた際、マトリックスは次期モデルへのモデルチェンジが行われず、ブランドは終了となりました。実質的な後継車種としては、2015年秋に発売が開始されたサイオン・iMが挙げられます。サイオンブランドの廃止に伴い、2016年秋にはカローラiMに改称され、日本名ではオーリス（2代目）として販売されました。

マトリックスは、北米市場におけるトヨタの多様なニーズに応えるために開発された車種であり、GMとの協力関係や、オーリスとのデザインの共通性など、興味深い特徴を持っています。短命に終わったものの、その存在は北米の自動車市場に一定の影響を与えました。

関連項目

トヨタ自動車
ゼネラルモーターズ
NUMMI
トヨタ・カローラ
トヨタ・カローラランクス
トヨタ・カローラルミオン
トヨタ・カローラスポーツ
トヨタ・ヴォルツ
トヨタ・オーリス

出典

外部リンク

マトリックス公式サイト - ウェイバックマシン（英語）
* TMMC公式サイト

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