NWA世界ウェルター級王座

NWA世界ウェルター級王座

NWA（National Wrestling Alliance）が認定するプロレスのタイトル、NWA世界ウェルター級王座について解説します。

概要

NWA世界ウェルター級王座は、その名の通りウェルター級の選手を対象としたタイトルです。ウェルター級の体重制限は、メキシコでは150lbs（約70kg）から170lbs（約78kg）の間とされていますが、厳密に適用されているわけではありません。

この王座は、NWAの発足以前の1946年に、メキシコのEMLL（現在のCMLL）において「世界ウェルター級王座」として創設されました。初代王者は、8人参加のトーナメントを制覇したエル・サントです。1952年にEMLLがNWAに加盟した際、王座にNWAの冠が付けられました。

1980年代後半にEMLLがNWAを離脱すると、ミドル級、ライトヘビー級とともにNWA非公認となります。しかし、王座の名称からはNWAの冠は外されませんでした。

1992年には、当時の王者であったミステリオッソがEMLLからAAAへ移籍したため、王座は空位となります。その後、CMLLは独自の世界ウェルター級王座を創設しました。

王座の変遷

1995年にNWA王座が復活し、ネグロ・カサスが王座に就きます。しかし、ジュニア8冠統一トーナメントで大谷晋二郎に敗れ、ウルティモ・ドラゴンを経て、ザ・グレート・サスケが統一を果たし、1996年から1997年まではジュニア8冠王座の一つとなっていました。

ジュニア8冠王座が解体された後は、ドラゴン・キッドが王座を奪取し、闘龍門に定着します。その後、日本とメキシコで防衛戦が行われました。2004年に闘龍門JAPANがDRAGONGATEに名称を変更すると、王座はしばらく空位となります（DRAGONGATEではオープン・ザ・ブレイブゲート王座を創設）。しかし、2006年に再度王座決定戦が実施され、王座が復活しました。

2007年11月27日には、当時の王者であった大原はじめがCMLLに参戦し、ラ・ソンブラが王座を奪取してCMLLに戻りました。

2010年3月、NWAメキシコ代表のブルー・デーモン・ジュニアがCMLLに対し、非公認となっているNWAの3つのタイトルの停止を手紙で要請しました。しかし、CMLLからは返答はなく、当時のチャンピオンであったメフィストは、単にCMLLのタイトルであると発言しました。2010年8月12日、CMLLはNWA王座の返還と引き換えに、NWAヒストリックウェルター級王座を創設しました。返還された王座は、NWAメキシコ（現在は消滅）においてタイトルマッチが行われています。

2017年9月30日をもってNWAは加盟団体制度を終了し、NWA世界ヘビー級王座、NWA世界女子王座を除く、それまで認定していた王座はすべて凍結され空位となりました。一部の王座は後に復活しましたが、NWA世界ウェルター級王座はNWA本部が復活させておらず、現在はNWA本部が認定していない王座となっています。

外部リンク

* プロレス選手権変遷史 NWA世界ウェルター級選手権

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