OMF

OMFインターナショナル（OMF International）は、1865年6月25日にハドソン・テーラーによって創設された、超教派のプロテスタント宣教団体です。当初は「海外宣教師フェローシップ」として知られ、1964年以前は「中国内陸伝道会(China Inland Mission)」という名称でした。日本では「国際福音宣教会」とも呼ばれています。

創立と初期の活動

1865年、ハドソン・テーラーはイギリスへの一時帰国中に、中国内陸伝道会の設立を決意しました。宣教師の先駆者であるカール・ギュツラフやウィリアム・チェンバーズ・バーンズに倣い、テーラーは中国での宣教活動を行う際に中国の衣装を着用しました。1865年10月3日、テーラーはジョン・スティーブンソン夫妻とジョージ・ストットを中国へ派遣し、彼らは1866年2月6日に到着しました。その後も宣教師の派遣は続き、テーラー自身も1866年5月26日に、16名の宣教師団を率いて中国へと向かいました。この一団は「ラムマーミュア・パーティー」として知られ、4ヶ月の旅路を経て中国に到着しました。1872年には、中国内陸伝道会のロンドン評議会が設置され、1875年には中国での組織的な伝道活動が開始されました。テーラーは福音の届いていない地域への宣教師派遣を求め、1887年には100名の宣教師が中国へ派遣されるまでになりました。彼は、宣教師を募るために世界各地を回り、19世紀末にはその活動が広く知られるようになりました。

義和団の乱とその後

1900年、中国ではキリスト教徒と外国人を標的とした義和団の乱が発生しました。中国内陸伝道会は、他の団体よりも多くの犠牲者を出し、58名の大人と21名の子供が殺害されました。しかし、1901年に連合国が中国政府に賠償を求めた際、ハドソン・テーラーは財産と人命の損失に対する支払いを受け取ることを拒否しました。これは、テーラーが中国の人々に対して、キリストへの従順を示す行動でした。その後、ディクソン・エドワード・ホステが宣教協会の監督に任命されました。

革命時代と第二次世界大戦

1900年代初頭、義和団事件後から1911年の辛亥革命、中華民国建国にかけて、宣教活動は大規模に拡大しました。アメリカの富裕層の相続人であったウィリアム・ホワイティング・ボーデンは、アメリカでの快適な生活を捨てて神の召命に応え、1909年にエール大学卒業後、中国北西部のイスラム教徒への宣教活動に身を投じました。軍閥時代には、宣教師の活動が危険にさらされることもあり、1934年には若い宣教師夫妻であるジョン・スタム夫妻が共産軍によって殺害されました。彼らの伝記である『ジョン・スタム夫妻の勝利』は、1930年代から1940年代の中国での戦争や迫害の試練の中にあっても、同じように奉仕の道を歩む世代にインスピレーションを与えました。

CIMからOMFへ

1949年から1952年の間に、中国での共産党軍の勝利に伴い、中国内陸伝道会のメンバーは「不本意な脱出」を余儀なくされました。指導者たちはイギリスに集まり、今後の活動について協議しました。その結果、宣教師たちは西アジアに再配置されることになり、本部をシンガポールに移転しました。その後、日本、台湾、香港、フィリピン、タイ、マレーシア、ベトナム、カンボジア、ラオス、インドネシアで活動を開始しました。1980年には、ハドソン・テーラーの曾孫であるジェームス・ハドソン・テイラー3世が伝道団体の総主事に就任しました。そして2005年には、中国人のクリスチャンであるパトリック・フング（馮浩鎏）が最初のアジア人指導者に任命されました。

参考文献

栗栖ひろみ『ハドソン・テーラー』(信仰偉人伝)教会新報社、1982年
中村敏『世界宣教の歴史』いのちのことば社 ISBN 4264024226
ハワード・テーラー著、舟喜信訳『ハドソン・テーラーの生涯とその秘訣』、いのちのことば社、1964年
V.レイモンド・エドマン著、舟喜信訳『人生のかぎ』、いのちのことば社、1966年

関連項目

北海道聖書学院 - OMFが設立した神学校

外部リンク

OMFインターナショナル日本委員会

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