OpenSeaMap

OpenSeaMap（オープンシーマップ）は、世界中の航海情報と地理データを集結させ、共同作業によって詳細な海図を作成するプロジェクトです。このプロジェクトは、オープンストリートマップ（OSM）の一部として、同じデータベースを共有し、地理データと海洋データを相互に補完しあっています。

海図は、公式サイトでの閲覧だけでなく、個人の電子機器にダウンロードしてオフラインでも利用できます。オープンデータベースライセンスに準拠しているため、出典を明記すれば、印刷物、ウェブサイト、アプリケーションなど、幅広い用途で無償で利用可能です。利用に際して、特別な料金やライセンスによる制限はありません。

海図の内容

OpenSeaMapの海図には、灯台、各種航路標識、その他の航法援助施設、さらには港湾施設（防波堤、歩道、埠頭、給油所、連絡道路、鉄道路線、連絡船航路など）が含まれています。これらの表示は、国際水路機関のS-57規格に準拠しています。

データ構造上、現時点では水深の立体的な表示はできません。そのため、水深は階級区分図で表現されていますが、将来的に水深測量モデルを用いた海底描画に対応する予定です。OpenLayersを利用した多層データ表示が採用されており、OSMの全オブジェクトに加え、航路標識法、各種港、船のレースイベント情報などの追加レイヤーも利用可能です。

OpenSeaMapは、ロシア語、スペイン語、イタリア語、英語、ドイツ語、フランス語の6言語に翻訳されています。ツールや凡例は英語、ドイツ語、フランス語で利用可能であり、海図上の地名は各地域の言語で表記されています。日々、地図作成者によってデータが更新されています。

地図上の港湾や停泊地、ヨットハーバーはポップアップウィンドウで詳細が表示され、これらの情報は編集可能です。SkipperGuide を含むウィキプロジェクトによると、世界中で5000箇所の港湾が利用可能であり、600箇所の停泊地には詳細な説明が加えられています。

OpenSeaMapでは、全地域の風速や気圧（等圧線）などの気象データに基づく天気図も提供しており、データは1日に2〜3回更新されます。3日後までの予想天気図も利用可能です。また、海底の深度に応じて、100mから10,000mまでの範囲で23段階に色分けして表示しています。

海図データの編集

OpenSeaMapでは、以下の2つの方法で海図データを編集できます。

1. ビーコン用OpenSeaMapオンラインエディタ
- Webブラウザ上で動作し、データの記述構造を理解していなくても、グラフィカルなユーザーインターフェースを通じてデータを入力できます。

2. 航海用拡張機能付きオフラインJOSMエディタ
- JOSMは、Javaで開発されたOSM用の基本エディタです。クロスプラットフォームに対応し、プラグインで機能を拡張できます。

地図編集には、メールアドレスを含むアカウント登録（無料）が必要です。また、XML-RPCインターフェースを利用したプログラムによる利用も可能です。

関連項目

OpenStreetMap
航海用電子海図

外部リンク

公式サイト（ドイツ語、英語、その他）
OpenSeaMap-Wiki（英語）

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