P-02A

ドコモ STYLE series P-02A：ハイスペックスライド型携帯電話

P-02Aは、パナソニック モバイルコミュニケーションズがNTTドコモ向けに開発した、第三世代携帯電話（FOMA）端末です。VIERAケータイシリーズに属し、P905iTVに続くスライド型モデルとして登場しました。同シリーズのP-01Aをスライド型にしたようなモデルであり、STYLEシリーズの中でも高いスペックを誇ります。

デザインと操作性

P-02Aのデザインは、過去の三菱電機製端末、特にD905iと類似性が見られます。カラーバリエーションも、歴代のDシリーズ端末を彷彿とさせる色合いです。特徴的なのは、折りたたみ型端末などに採用されていたワンプッシュオープンボタンがない点です。代わりに、三菱電機製端末で採用されていたアシストスライド機構を採用し、スムーズなスライド操作を実現しています。さらに、パナソニック独自の「スイングスライド」機構により、開いた際にディスプレイ部がわずかに傾き、使いやすさを向上させています。

操作キーには、三菱電機から技術使用許諾を得た「スピードセレクター」を搭載。回転キーと十字キーを兼ね備え、決定キーにはイルミネーションランプが配置されています。このスピードセレクターは、過去のD90Xシリーズなどにも搭載されていたものと同様の構造です。ただし、待機画面での操作はDシリーズと異なり、メニュー表示など一部機能が制限されています。

外観はDシリーズを彷彿とさせるものの、ソフトウェアはパナソニック独自のLinuxベースとなっており、UIや操作性、アイコンなどは大きく異なります。そのため、Dシリーズからの買い替えユーザーは操作性の違いに注意が必要です。液晶はD905iと同じサイズと発色数ですが、解像度は480×854ドットと、D905iより横方向に10ドット少ない点が挙げられます。なお、近年のDシリーズに搭載されていた加速度センサー、FMラジオ、FMトランスミッターは搭載されていません。

機能

機能面では、P-01Aとほぼ同等の機能を備えています。カメラ機能は、P-01Aにはないメインカメラ用ライトと、半押し対応のシャッターボタンを右側面に搭載。PシリーズではP905iTV以来のフォトライト搭載となります。ワンセグ機能には、ホイップアンテナと合成ダイバーシティチューナーを採用し、高画質の受信を実現しています。

iコンシェル、iウィジェット、iアプリオンラインなど、当時のドコモの新サービスにも全て対応しています。プリインストールアプリとして、ゲーム、辞書、地図アプリなど、様々なアプリが用意されています。さらに、ワンセグ機能ではEPGによる録画予約も可能です。外部メモリ（microSDHC）への録画に対応しており、本体への録画はできません。字幕放送、マルチウィンドウ、Bluetoothによるワイヤレス音声出力などもサポートしています。また、映像を鮮やかに再現する「モバイルPEAKSプロセッサー」、フレームレートを向上させる「モバイルWスピード」、コントラスト比を高める「モバイルWコントラストAI」といった、画質向上のための技術も搭載されています。

不具合とソフトウェアアップデート

発売後、いくつかの不具合が報告され、ソフトウェアアップデートによって修正が行われました。主な不具合としては、メールの文字表示異常、ボタン操作不能、iモーション再生不能、圏外表示などがありました。これらの不具合は、複数回のソフトウェアアップデートによって修正されています。

歴史

P-02Aは、2008年10月に技術基準適合証明を取得し、同年11月に開発が発表されました。そして、2009年1月26日に発売開始されました。後継機種としてはP-08Aがあります。

まとめ

P-02Aは、高性能な機能と洗練されたデザインを両立させた、魅力的なスライド型携帯電話でした。三菱電機端末のデザイン要素を取り入れつつ、パナソニック独自の技術とUIを融合させた、個性的なモデルと言えるでしょう。しかしながら、ソフトウェアの互換性や操作性の違いなど、Dシリーズからの乗り換えユーザーには注意が必要だったかもしれません。

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