ワンプッシュオープンボタン

ワンプッシュオープンボタン：携帯電話の開閉をスムーズにする技術

ワンプッシュオープンボタンは、主にパナソニック製の折りたたみ式携帯電話に搭載されている機能で、ヒンジ部分に配置されたボタンを軽く押すだけで、液晶ディスプレイがスムーズに開く仕組みです。この機能は、ユーザーが片手で簡単に携帯電話を開けるように設計されており、利便性の向上に貢献しています。

概要

現在では、スライド式や回転2軸式の特殊な構造を持つ端末やスマートフォンを除き、多くのパナソニック製端末に採用されている、パナソニックを代表する機能の一つです。この機能は、旧九州松下電器（現パナソニック システムネットワークス）のPHS端末KX-HV200で初めて搭載されました。初期のモデルでは、ボタンを押すと90度の位置で一旦停止する機構でしたが、後に完全オープンするタイプへと進化しました。

「ワンプッシュオープン」という名称は、パナソニックが商標登録していますが、2006年に一度拒否された後、2009年に改めて登録されました。また、「らくらくワンプッシュオープン」もパナソニックが商標登録しています。

この機構は、当初パナソニック独自の技術でしたが、後に他社も採用するようになり、各社で異なる名称が付けられています。例えば、日本電気（NEC）は「ワンタッチオープン」、富士通は「オープンアシスト」、富士通東芝モバイルコミュニケーションズ（現：富士通モバイルコミュニケーションズ）は「ワンアクション・オープン」、シャープは「クイックオープン」という名称でこの機能を搭載しています。

三菱電機も、スライド型端末において、サイドボタンを押すことでスライド機構がバネ仕掛けで動作する同名の仕組みを採用していました。

各社の採用状況

パナソニック モバイルコミュニケーションズ

パナソニックの携帯電話では、「ワンプッシュオープン」という名称で広く採用されており、多くの機種に搭載されています。

NTTドコモ

数多くのパナソニック製端末が採用しているほか、NECや富士通、シャープ製端末でも採用されています。

docomo PRIME series
P-04B, P-01B, P-07A, P-01A
docomo STYLE series・ドコモ ケータイ
P-01J, P-01H, P-01G, P-01F, P-01E, P-06C, P-02C, P-07B, P-05B, P-10A, P-06A, P-03A
docomo SMART series
P-01C, P-03B, P-09A, P-05A, P-04A
FOMA 90xi
P906i, P905i, P904i, P903iX HIGH-SPEED, P903i, P902iS, P902i, P901iS, P901i, P900i
FOMA 70xi
P706iμ, P706ie, PROSOLID μ（P705iCL）, P705iμ, P705i, P703i, P702iD, P702i, P701iD, P700i
mova 50xi
P505i, P504iS, P504i
mova 25xi
P253i, P252iS, P252i
prosolid
prosolid II（P851i）, prosolid（P213i）

ソフトバンクモバイル

ソフトバンク向けにもパナソニック製端末を中心に多くの機種で採用されています。

SoftBank 941P, SoftBank 931P, SoftBank 930P, SoftBank 921P, SoftBank 920P, SoftBank 842P, SoftBank 841P, SoftBank 832P, SoftBank 831P, SoftBank 830P, SoftBank 824P, SoftBank 823P, SoftBank 821P, SoftBank 820P, SoftBank 706P, SoftBank 705Px, SoftBank 705P

KDDI／沖縄セルラー電話（auブランド）

auブランドのパナソニック製端末にも採用されています。

P001（CDMA MA001）, W62P（CDMA W62P・島耕作ケータイを含む）, W61P（CDMA W61P）, W52P（CDMA W52P）, W51P（CDMA W51P）

パナソニック システムネットワークス

パナソニック システムネットワークスでは、「ワンタッチオープン」という名称で採用されています。

KX-HV200 - 初めてワンプッシュオープンボタンが搭載された機種

日本電気（NEC）

NEC製の携帯電話では、「ワンタッチオープン」という名称で採用されています。

NTTドコモ
docomo STYLE series: N-05A
FOMA 70xi: N706ie
ソフトバンクモバイル
SoftBank 831N

富士通

富士通製の携帯電話では、「オープンアシスト」という名称で採用されています。特にらくらくホンシリーズに多く搭載されています。

NTTドコモ
らくらくホン: らくらくホン7（F-09B）, らくらくホン6（F-10A）, らくらくホンV（F884iES）
docomo STYLE series・ドコモ ケータイ: ARROWSケータイ F-05G, F-01E, F-06D, F-04D, F-02D, F-10C, F-02C, F-07B, F-02B
docomo SMART series: F-11C, F-03C, F-03B

富士通モバイルコミュニケーションズ・東芝ブランド

東芝ブランドの端末では、「ワンアクション・オープン」という名称で採用されています。

KDDI／沖縄セルラー電話（auブランド）
T005（CDMA TS005）

シャープ

シャープ製の携帯電話では、「クイックオープン」という名称で採用されています。

NTTドコモ
ドコモ ケータイ: AQUOSケータイ SH-06G

三菱電機

三菱電機製のスライド型端末では、「ワンプッシュオープン」という名称で、サイドボタンを押すことでスライド機構がバネ仕掛けで動作する仕組みが搭載されていました。

NTTドコモ
D901iS, D902i, D902iS, D903i, D903iTV, MUSIC PORTER X（D851iWM）

まとめ

ワンプッシュオープンボタンは、パナソニックが開発し、多くの携帯電話メーカーに採用された便利な機能です。ユーザーが片手で簡単に携帯電話を開けるように設計されており、その利便性から多くの機種に搭載されました。各社で名称は異なりますが、その根底にある機構は共通しており、携帯電話の使いやすさを向上させる上で重要な役割を果たしました。

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