D905i

FOMA D905i：三菱電機が手がけたハイスペックFOMA端末

FOMA D905iは、三菱電機によって開発されたNTTドコモの第三世代携帯電話（FOMA）端末です。この端末は、Dシリーズとして初めてFOMAハイスピードに対応したことが大きな特徴です。従来のD90xiシリーズのデザインを踏襲しつつ、スライド型を採用しています。Dシリーズの中で最も大きな3.1インチのフルワイドVGA液晶を搭載し、過去の機種と比較してコントラスト比が約1.3倍に向上しました。また、Natural Color Matrixという技術により、画像や映像コンテンツをより自然で鮮やかな色調に変換することが可能です。

ディスプレイとフォント

画面解像度がワイドVGAになったことで、フォントやメニュー画面もVGAに対応しました。これにより、デザイン性、実用性、エンターテイメント性の高いメニュー画面がプリインストールされ、フォントも従来のゴシック体（新ゴ）に加え、楷書体やはせトッポ体の3種類から選べるようになりました。

メモリーとカメラ

外部メモリーは、規格上限の2GBまでのmicroSDに対応しており、Dシリーズとしては初めてmicroSDへのワンセグ録画が可能になりました。カメラ性能は、CMOS約320万画素で、オートフォーカスや手ブレ補正に対応しています。また、翻訳リーダー機能を搭載しており、英語、中国語、韓国語の文字をカメラで撮影するだけで、単語ごとに自動翻訳が可能です。名刺リーダー機能も搭載しています。テレビ電話用のサブカメラは、CMOS約10万画素です。

ワンセグ機能

ワンセグ機能では、録画したワンセグ放送を見たいところだけ再生できる「ハイライト再生」に対応しています。CMなどをカットできる「オートカット機能」、スポーツモードやミュージックモードなどの機能も備えています。また、周囲の環境や映像コンテンツによる明るさをダブルでコントロール可能です。ワンセグのマルチウィンドウにも対応しています。

モーションコントロールセンサー

モーションコントロールセンサーは、D904iで対応していたミュージック、メール、iモーションに加え、ワンセグ、PDF、iアプリにも対応しました。端末画面を指先で軽く二回叩くと、マチキャラが反応する「タップ機能」も新たに搭載されました。

音楽機能

FOMAハイスピードに対応したことで、Music&Videoチャネルの利用が可能になり、Windows Media Audio形式の音楽ファイル再生に対応しました。また、デジタル著作権管理（DRM）に対応しているため、Napsterなどの有料音楽配信サイトも利用可能です。「うたホーダイ」にも対応し、FMラジオも引き続き受信可能です。「NOW PLAYING情報」取得機能により、気に入った曲をすばやくダウンロードできます。

入力と辞書

F905iとともに、久々に2タッチ入力（ポケベル打ち）に対応しました。和英、英和、国語辞典に加え、カタカナ発音入りの日韓と日中の辞典が新しく追加されました。「ダウンロード辞書」も利用可能で、メーカーサイトから取得できます。

その他

キーバックライトは、オレンジ色に光ります。

Dシリーズ最後の機種

2008年 3月3日に三菱電機が携帯電話事業から撤退を発表したため、この機種がD9xxシリーズの最後の機種となりました。Dシリーズの機種として初めて、GSM ローミング、HSDPA（FOMAハイスピード）、フルワイドVGA液晶を搭載した機種でもあります。そのため、発売から5年近く経過した2012年 12月現在でも非常に人気が高く、根強いファンがいます。

注意点

BモードのメールはWebメールとなります。

プリインストールiアプリ

翻訳アプリ「しゃべって翻訳 for D」
地図アプリ
Gガイド番組表リモコン
DCMXクレジットアプリ
ケータイクレジットiD
FMラジオMusicサーチ
体感！珍さんの釣り物語
FOMA通信環境確認アプリ
タマラン
ケータイ!日本語テスト明鏡クイズ編
楽オク出品アプリ2
iアプリバンキング
簡単！デコメっちゃ

ワンセグ機能詳細

EPG（録画予約も可）
外部メモリ（microSD）への録画
字幕放送
マルチウィンドウ
FMトランスミッターによるワイヤレス音声出力（ワンセグの他にもミュージック、iアプリにも対応）
液晶に表示される画像や映像コンテンツを、より自然で鮮やかな色調に自動変換する「Natural Color Matrix」
連続視聴時間約4時間（ECOモード時：約4時間10分）

テレビCM

テレビCMでは、「スライドはフルスペックへ、The Premium Slide.」とアピールしていました。

歴史

2007年 9月3日 - 連邦通信委員会（FCC）通過
2007年 9月6日 - 技術基準適合証明（TELEC）通過
2007年 9月26日 - 電気通信端末機器審査協会（JATE）通過
2007年 11月1日 - D905i・D705i・D705iμ・F905i・F705i・N905i・N905iμ・N705i・N705iμ・P905i・P905iTV・P705i・P705iμ・PROSOLID μ・SH905i・SH905iTV・SH705i・SO905i・SO905iCS・SO705i・L705i・L705iX・NM705iの開発が発表。
2007年 11月26日 - 発売開始
2007年 12月11日 - 1回目のソフトウェアの更新
2008年3月11日 - 2回目のソフトウェアの更新

不具合

2007年 12月11日のソフトウェア更新で、ケータイクレジットiDにおいて、カード情報設定やカードアプリからのパスワード設定、ネット決済によるショッピングといった操作を行うと、「iDアプリが見つかりません」というエラーが表示される不具合が修正されました。
2008年3月11日のソフトウェア更新で、Music&Videoチャネルおよびビデオクリップの再生時の音声と映像のずれ、GPS測位の失敗、待受け画面の電池マーク表示の不具合、エリアメール受信設定画面の説明文の変更が行われました。
2008年11月5日のソフトウェア更新で、電波状態の悪い環境下でのiアプリ、ICアプリのダウンロードやバージョンアップ後のアプリ起動不可の不具合が修正されました。