QF 4.5インチ榴弾砲

オードナンス QF 4.5インチ榴弾砲

オードナンス QF 4.5インチ榴弾砲は、イギリスが設計した榴弾砲であり、第一次世界大戦においてQF 18ポンド野砲と共に広く用いられました。各国の戦線で活躍した他、BT-42のベースにもなりました。

概要

QF 4.5インチ榴弾砲は、第二次ボーア戦争の戦訓を踏まえ、BL 5インチ榴弾砲を更新する目的で設計され、1908年に制式採用されました。駐退復座機はクルップ社開発のバネ圧復座式を採用。尾栓はイギリス陸軍の火砲としては初めて手動水平鎖栓式を用いています。

砲弾は分離薬莢式であり、弾頭装填後に火薬量を調整した薬莢を装填することで、射程の細かな調整が可能でした。砲弾の種類は榴弾、榴散弾、毒ガス弾などが製造されています。

初期型は木製車輪でしたが、1920年代にソリッドラバータイヤに換装したMk 1R、後に空気入りゴムタイヤと車軸・ブレーキを換装したMk 1Pへと改良されました。

第二次世界大戦ごろには、QF 18ポンド砲と共にQF 25ポンド砲への更新が進められ、大戦終結時点で退役しました。

実戦

第一次世界大戦では、QF 18ポンド砲3門に対して1門の割合で配備され、イギリス陸軍やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの師団砲兵の主力榴弾砲として、イギリス陸軍が活動した全ての戦線で活躍しました。

第二次世界大戦においては、1941年から1942年にかけてマレー半島で日本軍との戦闘に投入されています。

アイルランド国防軍にも供与されましたが、アイルランド内戦における活動状況は不明です。

フィンランドは冬戦争時にイギリスから24門、スペインから30門を導入し、マズルブレーキを装着するなどの小改良を施した上で114 H/18として制式化しました。継続戦争では、赤軍から鹵獲したBT-7快速戦車の砲塔と組み合わせたBT-42も制作されています。

関連項目

榴弾砲
10.5cm leFH 16（ドイツ帝国）
* BT-42

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