REINCARNATION (松任谷由実のアルバム)

松任谷由実『REINCARNATION』：輪廻転生をテーマにした革新的なサウンド

『REINCARNATION』（リ・インカーネーション）は、1983年2月21日にリリースされた松任谷由実（ユーミン）の14枚目のオリジナルアルバムです。「愛の輪廻転生」という深遠なテーマを掲げ、音楽的な実験精神とメッセージ性が融合した作品として、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

アルバム概要

本作は、ユーミンが当時最先端の音楽技術であったフェアライトCMIとシンクラヴィアを制作に導入した初期の作品としても知られています。これらのシンセサイザーを駆使することで、従来のユーミンのサウンドに新たな色彩が加わり、より幻想的で奥行きのある音世界が展開されました。

1983年には全国コンサートツアーが開催され、1985年にはCD化。1999年にはデジタルリマスタリングが施されたリマスターCDとLPが発売され、その高音質化は多くのリスナーから評価されました。

楽曲解説

アルバムには、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。収録曲の中から、特に注目すべき楽曲をいくつかご紹介します。

REINCARNATION: アルバムのテーマである「輪廻転生」を表現した楽曲。ライブビデオにも収録されており、プロモーション用のアナログシングル盤も存在します。
オールマイティー: 前の曲のギターソロから自然に繋がる、流れるような展開が印象的です。
NIGHT WALKER: バラードベストアルバムにも収録された人気の高い楽曲です。
星空の誘惑: ベストアルバム『ユーミン万歳!』で初収録された、ロマンティックな雰囲気の楽曲です。
川景色: 相模川の風景を歌った楽曲で、石川セリへの提供曲のセルフカバーです。
ESPER（album version）: シングル曲をリニューアルした作品で、TBSドラマ『ルージュの伝言』でも使用されました。
心のまま: 女性だけのクルーによる太平洋横断に挑戦した船「RIBII世号」に捧げられた楽曲です。
ずっとそばに: 原田知世がカバーしたことでも知られる楽曲で、アニメ映画のエンディングテーマにもなりました。
ハートはもうつぶやかない:
経る時: 千鳥ヶ淵沿いのホテルのティールームから見た四季の風景を歌った楽曲です。

参加ミュージシャン

本作には、日本のトップミュージシャンたちが多数参加しています。

ドラム：林立夫
ベース：高水健司
キーボード：松任谷正隆
ギター：安藤まさひろ、今剛、松原正樹、鈴木茂
パーカッション：浜口茂外也、斎藤ノブ、Pecker
サックス&フルート：Jake H. Conception
* トランペット&フリューゲルホルン：数原晋

豪華ミュージシャンたちの演奏が、ユーミンの楽曲に深みと彩りを与えています。

エピソード

アルバムのブックレットおよびコンサートパンフレット用に、ユーミンが裸体にオーロラテープを巻いた写真が撮影されました。この大胆なイメージは、当時大きな話題を呼びました。

また、本作は1983年の第25回日本レコード大賞ベストアルバム賞を受賞しています。

『REINCARNATION』は、ユーミンの音楽キャリアの中でも重要な作品の一つであり、彼女の音楽的な探求心と創造性が結実したアルバムと言えるでしょう。時代を超えて愛される名盤として、これからも多くの人々に聴き継がれていくことでしょう。

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