Rhino

Rhino（ライノー）について

Rhinoは、オープンソースで開発されているJavaScriptの実装、すなわちJavaScriptエンジンです。このエンジンはJavaで記述されており、Mozilla Foundationによって管理・配布されています。Mozilla Foundationは、C言語で実装されたSpiderMonkeyという別のJavaScriptエンジンも提供していますが、RhinoはJava環境に特化した実装という点で異なります。

歴史

Rhinoの開発は1997年にネットスケープコミュニケーションズによって始まり、1998年にMozilla Foundationへと譲渡されました。その後、オープンソースソフトウェアとして公開され、広く利用されるようになりました。Rhinoという名前は、オライリー社から出版されたJavaScriptの書籍の表紙に描かれていた動物、サイに由来しています。

特徴

Rhinoの主な役割は、JavaScriptのコードをJavaのクラスへと変換することです。この変換には、コンパイラを使用する方法と、インタープリタを使用する方法の2つが提供されています。Rhinoは、他のアプリケーションに組み込んで使用することを想定して設計されており、JavaScriptでよく見られる「browserオブジェクト」はサポートしていません。これにより、サーバーサイドやデスクトップアプリケーションなど、幅広い環境でのJavaScriptの利用が可能になります。

また、Rhinoにはデバッグ機能も備わっています。組み込んだアプリケーション上でRhino shellを使用することで、JavaScriptコードのデバッグ作業を行うことができます。

Rhinoが利用されているソフトウェア

Rhinoは、以下のソフトウェアに組み込まれて活用されています。

JDK (Java Platform, Standard Edition 6): JDK 6以降には、JavaScript実行エンジンとしてRhinoが同梱されています。
OpenOffice.org: マクロ言語の一つとしてJavaScriptを採用しており、その実行とデバッグ環境としてRhinoが使用されています。
LibreOffice: OpenOffice.orgと同様に、マクロ言語であるJavaScriptの実行とデバッグ環境としてRhinoが採用されています。

これらの事例からもわかるように、Rhinoは様々なアプリケーションでJavaScriptの実行環境を提供し、その開発や拡張に貢献しています。

関連項目

SpiderMonkey: Mozilla Foundationが開発している別のJavaScriptエンジンで、C言語で実装されています。
Nashorn: JDK 8から導入されたJavaのJavaScriptエンジンで、Rhinoの後継として位置づけられています。

外部リンク

Java スクリプトプログラマーズガイド - JDK6
* Mozilla/Projects/Rhino'>Rhino - MDN

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