SAIL/ESA

SAIL/ESA（せいるいーえすえー）について

SAIL/ESAは、日本アイ・ビー・エムが1985年に発表した金融機関向けのシステム開発支援プログラムです。正式名称は「IMS/ESAオンライン適用業務 開発/運用支援プログラム」（System Development Aid for IMS/ESA On-Line Applications）で、特にオンラインシステムの構築や運用を支援するための共通制御プログラムとして設計されています。

SAILの進化

当初は「SAIL」として登場しましたが、IMSが「IMS/ESA（Enterprise System Architecture対応版）」に進化したことに伴い、プログラム名も「SAIL/ESA」に変更されました。このプログラムは、金融機関の勘定系システムなどで広く利用されています。

SAILの特長

SAILは、主にOS/390|OS_390やz/OS向けのミドルウェアであるIMSを基盤としており、IMSのクラスタリング機能であるXRFなどが基本設計に組み込まれています。さらに、データベース管理システムとしてIMS-DBだけでなく、DB2も活用可能です。

このプログラムは、いわゆる業務パッケージではなく、金融機関に必要な共通基盤を提供します。ユーザーはSAILが提供する取引形態（メッセージ処理）、テーブル、マクロなどを駆使して、業務や運用を独自に開発できる点が大きな特徴です。また、開発に使用できる言語は、PL/I|PL_Iやアセンブラーの他、オプションでCOBOLも利用可能となっています。

位置づけ

IBMはSAILや関連ソフトウェアを「金融機関向けDSEバンキングソリューション」と位置付けており、これにより金融機関のシステム開発において革新をもたらしています。

主要な関連プログラム

SAIL/ESAは、他にも関連プログラムと連携しています。具体的には、以下のようなソフトウェアがあります：

• - CAP-A（Common Application Control Package for Advanced Banking System）：アプリケーション運用制御プログラムの拡張版です。
• - TIMES（The InforMation Production Executive System）：データベース構築支援プログラムです。

歴史的背景

• - 1985年：SAILが発表されました。
• - 1997年11月：SAIL/ESA V3が発表され、並列環境や連続稼働、チャネル接続の強化が行われました。
• - 1998年10月：SAILのCOBOLサポートを追加したCS/OLAが発表されました。
• - 2000年4月：SAIL/ESA V3.1.1が発表されました。

採用例

このプログラムはさまざまな金融機関に採用されています。具体的には、次のような銀行が挙げられます：

• - みずほ銀行
• - 三菱UFJ銀行
• - Chance地銀共同化システム（このシステムも三菱UFJ銀行の技術が基になっています）
• - 八十二銀行
• - じゅうだん会（こちらも八十二銀行のシステムを基にしています）

関連項目

SAIL/ESAは、勘定系システムやIBM、IMSに関連する重要なプログラムです。これにより、金融機関の業務効率化やシステムの安定性向上に寄与しています。

外部リンク

• - IMS/ESAオンライン適用業務 開発/運用支援プログラム 第３版 概説書

SAIL/ESAは、多様な金融システムの要件に応じた柔軟性と拡張性を備えており、現在も金融機関の重要な基盤として機能しています。

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