SF名作シリーズ

SF名作シリーズ

『SF名作シリーズ』は、偕成社が1969年から1970年にかけて刊行したSF小説の叢書です。このシリーズは、A5判のハードカバーで構成され、もともとは全30巻の予定でしたが、実際には第28巻「クロニオン号の冒険」と第30巻「銀河紀元827年」が未刊行となり、最終的に全28巻で終了しました。

シリーズの概要

このSF名作シリーズには、ウィリアムスン、スミス、ハミルトン、ウェルズなど、著名な作家による名作が収められています。各巻は、翻訳を手掛けた日本の訳者たちによって、作品の魅力が日本語で再現されています。特に、福島正実や野田昌宏、久米穣などの訳者による作品は、その質の高さでも知られています。

収録作品一覧

以下はシリーズに収録された主要な作品の一覧です。

• - なぞの宇宙ロボット（ウィリアムスン著、福島正実訳）
• - 銀河パトロール隊（スミス著、野田昌宏訳）
• - 宇宙アトム戦争（ハミルトン著、南山宏訳）
• - とうめい人間（ウェルズ著、久米穣訳）
• - 宇宙怪獣ゾーン（バン＝ボクト著、野田開作訳）
• - のろわれた宇宙船（ハインライン著、矢野徹訳）
• - 地底怪獣テロドン（バローズ著、久米元一訳）
• - 姿なき宇宙人（クレメント著、野田開作訳）
• - 宇宙からのSOS（ラインスター著、亀山龍樹訳）
• - タイム・マシンの冒険（ウェルズ著、塩谷太郎訳）
• - 火星の合成人間（バロウズ著、内田庶訳）
• - 宇宙パイロット37号（エフレーモフ著、飯田規和訳）
• - 深海の宇宙怪獣（スタージョン著、福島正実訳）
• - 宇宙FBI（ハミルトン著、野田昌宏訳）
• - 火星のプリンセス（バローズ著、野田開作訳）
• - 地球爆発（フィリップ・ワイリー著、久米穣訳）：エドウィン・バルマーとの合作
• - 宇宙スパイ戦（マックビカー著、白木茂訳）
• - 地球さいごの都市（ハミルトン著、内田庶訳）
• - 宇宙ガードマン（ロックウェル著、福島正実訳）
• - 光る目の宇宙人（ホリー著、南山宏訳）
• - 冬眠200年（ウェルズ著、中上守訳）
• - 宇宙家族ロビンソン（アーナム＆アーチャー著、福島正実訳）
• - 超能力作戦（ラッセル著、中尾明訳）
• - 暗黒星の恐怖（キャンベル著、野田昌宏訳）
• - ゆれる宇宙（ラインスター著、福島正実訳）
• - 深海レインジャー部隊（ウォルトン著、中尾明訳）
• - 消えた四次元の輪（マクドナルド著、福島正実訳）
• - クロニオン号の冒険（ウィリアムスン著、矢野徹訳） （未刊行）
• - なぞの海底怪獣（ディクソン著、亀山龍樹訳）
• - 銀河紀元827年（アシモフ著、内田庶訳） （未刊行）

シリーズの意義

このシリーズは、日本のSF文学における重要な一歩であり、当時の読者に多くの夢や冒険を提供しました。また、様々な科学的概念や未来の可能性を描いた作品は、哲学的な思索を促し、読者に新たな視点を与えました。異なる作家の個性が反映された各作品は、それぞれに異なった世界観を持ち、日本のSFファンに広く受け入れられました。

総じて、『SF名作シリーズ』は、日本におけるSF文学の礎を築いた重要な作品群であり、今後も多くの人々に親しまれることでしょう。

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