SHAKE THE FAKE

アルバム『SHAKE THE FAKE』

『SHAKE THE FAKE』は、氷室京介による5枚目のスタジオアルバムで、1994年9月26日に東芝EMIイーストワールドレーベルからリリースされました。前作『Memories Of Blue』の発表から約1年8か月ぶりに登場し、アルバム制作には松井五郎が全作詞を手掛け、作曲は氷室自身とホッピー神山が担当したことで話題となりました。また、プロデューサーとして神山と西平彰、佐橋佳幸が参加し、多彩な音楽的要素が反映された作品となりました。

製作と背景

このアルバムのレコーディングは日本国内外のスタジオで行われ、特にアメリカのA&Mスタジオでも収録されました。氷室は前作の成功を受けて、新たな方向性を模索する中で自らの音楽に対する基準をさらに高めようと奮闘しました。実際、彼はその過程で精神的なストレスを抱え、自律神経失調症に悩まされることもありましたが、ホッピー神山の協力によってアルバム制作が進んだことが功を奏しました。

音楽性

『SHAKE THE FAKE』は、氷室の音楽キャリアの中で新たな挑戦ともいえるジャンルを取り入れています。プログレッシブ・ロックやハードロックのテイストが詰め込まれており、特に「BREATHLESS」や「LOST IN THE DARKNESS」といった楽曲はその影響を色濃く反映しています。タイトル曲の「SHAKE THE FAKE」もハードロックスタイルで、従来の氷室の作品とは一線を画すものとなっています。シングル「VIRGIN BEAT」は三貴のCMにも起用され、音楽的にも商業的にも大きな影響を与えました。

リリースとチャート成績

アルバムはリリースと同時にオリコンアルバムチャートで第1位を獲得し、全体の売上は80万枚を超え、ダブル・プラチナ認定を受けるまでに至ります。音楽情報サイト『CDジャーナル』は、この作品について肯定的に評価し、アグレッシブなアレンジが聴く者を未来的な世界に誘うとしています。

ツアー

アルバムの発表後、氷室は「SHAKE THE FAKE」と銘打ったツアーを展開し、1994年10月12日の横浜アリーナを皮切りに8都市で全16公演を行いました。ツアーのファイナルでは東京ドームでの連続公演も実現し、多くのファンを魅了しました。

まとめ

『SHAKE THE FAKE』は氷室京介が新たな音楽性を探求し、挑戦を続ける姿を象徴する作品となっている。アイデンティティの模索と音楽的革新が見事に融合した本アルバムは、ファンにとっても特別な意義を持つ一枚です。その後、2003年にはデジタルリマスター版がリリースされ、2020年にはストリーミングサービスでも配信されるなど、時代を超えて多くのリスナーに愛され続けています。

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