SIMPURE N

SIMPURE N：シンプルさと洗練を両立したFOMA端末

NTTドコモから発売されたFOMA端末「SIMPURE N（N600i）」は、NECが開発した、シンプルさを追求したモデルです。海外で販売されている同名機種とは異なる製品で、音声通話、メール、iモード、iアプリといった基本機能に特化することで、小型軽量化と低価格化を実現しています。国際ローミングサービス「WORLD WING」にも対応し、GSM／GPRSネットワークも利用可能です。

スタイリッシュなデザインとコンパクトなボディ

SIMPURE Nは、折りたたみ式のコンパクトなボディが特徴です。サイズは92×44×19.2mmと、当時のFOMA端末の中でも最小クラスを誇り、携帯性にも優れています。機能を絞り込んだことで実現したコンパクトさだけでなく、デザインにもこだわりが感じられます。特に、開いた状態のヒンジ部付近の滑らかな曲線は美しく、「Nライン」と名付けられるほどです。カラーバリエーションはレッド、ホワイト、ブラックの3色展開で、いずれも底面をマットシルバー、それ以外の部分を光沢仕上げにするツートンカラーを採用しています。

主要機能と仕様

ディスプレイは1.9インチ、176×220ピクセルのTFT液晶と、当時としては控えめな仕様です。しかし、その分レスポンスは軽快です。内蔵カメラは31万画素CMOSカメラを液晶側と背面側の両方に搭載し、テレビ電話に対応しています。ただし、バーコードやQRコードリーダー機能、サブディスプレイ、赤外線通信ポート、外部メモリーカードスロット、FeliCa機能などは搭載されていません。

ボタンは円形で統一され、小型化によるスペースの制約から、通話ボタンや終了ボタンなどは通常の番号ボタンよりも小型化されています。また、多くの機種に搭載されている中央のクリアボタンも省略されています。NEC独自のポインティングデバイス「ニューロポインター」も搭載されていません。

高性能な日本語入力システム

NEC製の端末では従来T9入力方式を採用していましたが、SIMPURE NではジャストシステムのATOKと予測変換機能APOTを搭載。高い変換精度を実現しています。

操作性と利便性

多機能な携帯電話に慣れているユーザーにとっては、着信音の種類やiアプリの数が少ない点など、使い勝手の面で不便を感じるかもしれません。しかし、通話とメールを主な用途とするユーザーにとっては、デザイン性も高く、十分実用的な選択肢となるでしょう。機能を絞り込んだことで、操作レスポンスの軽快さも大きな魅力です。

発売と歴史

SIMPURE Nは、2005年12月にJATEとTELECの認証を取得し、2006年4月25日に発売されました。同シリーズには、LG電子製のSIMPURE L (L600i)も存在します。

発生した不具合

発売後、海外渡航時に認証不良により通話や通信ができなくなる不具合が約44,000台で発生しました。メーカーは迅速に修理対応を行い、販売を再開しています。

まとめ

SIMPURE Nは、基本機能に絞り、小型軽量化と低価格化を実現した、シンプルで洗練されたデザインのFOMA端末です。レスポンスの軽快さや高いデザイン性も魅力で、通話とメールをメインの用途とするユーザーにとって最適な選択肢と言えるでしょう。ただし、多機能な端末に慣れているユーザーにとっては、機能の制限が不便に感じる可能性もあります。

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