SINGLES Vol.3 (1988〜1996)

長渕剛の軌跡を辿る、シングルコレクションの決定版『SINGLES Vol.3 (1988〜1996)』

1997年12月10日、東芝EMI／エキスプレスよりリリースされた『SINGLES Vol.3 (1988〜1996)』は、日本の国民的アーティスト、長渕剛のシングルコレクションアルバムです。1988年から1996年までのシングル曲をA面、B面全て収録した、まさに彼のキャリアにおける重要な10年間を凝縮した2枚組作品と言えるでしょう。2006年には、24ビット・デジタル・リマスタリングが施され、よりクリアで臨場感あふれるサウンドで再リリースされています。

多彩な楽曲とライブパフォーマンスの融合

このアルバムには、数々のドラマや映画の主題歌として親しまれてきた楽曲が多数収録されています。代表的な楽曲としては、TBS系ドラマ『とんぼ』の主題歌「とんぼ」、東映映画『オルゴール』のテーマソング「激愛」、東映映画『ウォータームーン』のテーマソング「しょっぱい三日月の夜」、フジテレビ系ドラマ『しゃぼん玉』の主題歌「しゃぼん玉」、TBS系ドラマ『RUN』の主題歌「RUN」、そしてテレビ朝日系木曜ドラマ『炎の消防隊』の主題歌「友よ」などが挙げられます。

さらに、このアルバムの大きな魅力の一つとして、ライブ音源の収録も挙げられます。1988年東京ドーム公演のライブバージョンとして「STAY DREAM」、「あんたとあたいは数え唄」、1989年横浜アリーナ公演のライブバージョン「いつかの少年」、1992年東京ドーム公演のライブバージョン「俺らの家まで」、1993年大阪城ホール公演のライブバージョン「愛してるのに」、そして1995年東京ドーム公演のライブバージョン「LICENSE」が収録されており、スタジオ録音とはまた違った、長渕剛のパフォーマンスの熱気と迫力を体感することができます。

アルバムバージョンとの違いに注目

いくつかの楽曲は、オリジナルアルバムに収録されているバージョンとは異なるミックスやアレンジが施されています。例えば、「とんぼ」はアルバム『昭和』にも収録されていますが、『SINGLES Vol.3』に収録されているのはシングルバージョンです。「女よ、ごめん」はアルバム『JEEP』に収録されているロック調とは異なり、本作ではアコースティック調のアレンジが施されています。これらの違いを楽しむことも、このアルバムを聴く上での大きなポイントと言えるでしょう。

長渕剛の音楽遍歴を網羅した、まさに「決定版」

『SINGLES Vol.3 (1988〜1996)』は、単なるシングルコレクションという枠を超え、長渕剛の音楽性、そして彼のキャリアの重要な部分を垣間見ることができる作品です。バラードからロック、そしてアコースティックと、彼の幅広い音楽性を堪能できるだけでなく、ライブ音源の収録により、彼の圧倒的なパフォーマンス力も同時に感じ取ることができます。長渕剛のファンはもちろんのこと、日本の音楽史において重要な地位を占めるアーティストの軌跡に触れたいという方にも、強くお勧めできる一枚と言えるでしょう。このアルバムを通して、彼の音楽の魅力を改めて再確認し、より深く理解することができるはずです。

もう一度検索