STS-108

STS-108ミッション概要

STS-108は、スペースシャトルエンデバーによって行われた国際宇宙ステーション（ISS）への重要な補給ミッションです。このミッションは、2001年12月に実施され、ISSへの物資の供給とメンテナンスを主な目的としていました。特に、アメリカ同時多発テロ事件後初のミッションとして、世界中から注目を集めました。

ミッションの目的と成果

STS-108の主要な目的は、ISSへの食料、実験装置、その他の必要な物資を届けることでした。また、ISSに滞在する宇宙飛行士の交代も行われました。具体的には、Expedition 3の乗組員が地球に帰還し、Expedition 4の乗組員がISSに到着しました。

ミッションでは、イタリア製の多目的補給モジュール（MPLM）が使用され、8つの荷物棚と4つの荷物の台がISSに運び込まれました。これにより、ISSでの科学実験や生活に必要な物資が大幅に増加しました。

さらに、宇宙遊泳も実施され、ISSのソーラーパネルの基部にあるBeta Gimbal Assemblies（BGA）を断熱材で覆う作業が行われました。BGAは、ソーラーパネルを常に太陽の方向に向けて、効率的に電力を生成するための重要な装置です。この修理作業により、ISSの電力供給能力が向上しました。

乗組員

STS-108の乗組員は以下の通りです。

ドミニク・パドウィル・ゴーリー (3), 船長
マーク・E・ケリー (1), パイロット
ダニエル・M・タニ (1), ミッションスペシャリスト
リンダ・ゴドウィン (4), ミッションスペシャリスト
ユーリー・オヌフリエンコ (2), ISS船長（ロシア連邦宇宙局）
カール・ウォルツ (4), ISSフライトエンジニア
ダニエル・バーシュ (4), ISSフライトエンジニア
フランク・カルバートソン (3) ISS船長
ミハイル・チューリン (1), RSA ISSフライトエンジニア
ウラジーミル・デジュロフ (2), RSA ISS Soyuz Cdr

ミッションのハイライト

ISSへの12回目のミッション
イタリアの多目的補給モジュール（MPLM）を使用した4回目のミッション
ISSのソーラーパネルの基部にあるBeta Gimbal Assemblies（BGA）の断熱作業

同時多発テロの犠牲者への追悼

STS-108ミッションでは、アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を追悼するため、特別な措置が取られました。エンデバーの外には、小さな6000のアメリカ合衆国国旗とニューヨーク市警の大きなアメリカ合衆国国旗が掲げられました。これらの国旗は、ミッションからの帰還後、同時多発テロの遺族に贈られました。この行為は、テロの犠牲者への哀悼の意を示すとともに、アメリカ国民の団結を象徴するものとなりました。

パラメータ

ペイロード: 4,082 kg
近地点: 353 km
遠地点: 377 km
軌道傾斜角: 51.6°
軌道周期: 92分

ISSとのドッキング

結合: 2001年12月7日 20:03:29 UTC
分離: 2001年12月15日 17:28:00 UTC
期間: 7日21時間24分31秒

宇宙遊泳

Godwin と Tani - EVA 1
EVA 1 開始: 2001年12月10日 - 17:52 UTC
EVA 1 終了: 2001年12月10日 - 22:04 UTC
* 期間: 4時間12分


STS-108ミッションは、ISSへの物資補給、メンテナンス作業、そして同時多発テロの犠牲者への追悼という、多くの重要な目的を果たしました。このミッションの成功は、国際協力の重要性を示すとともに、宇宙開発における人類の進歩を象徴するものとなりました。

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