Shuriken
Shuriken（しゅりけん）は、かつてジャストシステムが開発・販売していた電子メールクライアントです。1998年にワープロソフト「一太郎Lite」の付属ソフトとして登場し、その後、同社の主力製品にバンドルされる形で広く利用されました。2022年2月にコンシューマー向け製品の販売を終了し、同年9月末には法人向け仕様のShuriken Proシリーズの販売も終了しました。
Shurikenは、当初「J-Mailer（仮称）」という名前で開発されていましたが、1998年7月30日に「一太郎Lite」の付属ソフトとして正式に「Shuriken」としてリリースされました。同年9月発売の「一太郎9」以降、同社のアプリケーションやオフィススイートにバンドルされ、無料で利用できる形式で提供されていました。Shurikenを単体で入手することは不可能で、書籍に付属するCD-ROMを利用するなどの限定的な方法で入手する必要がありました。
1995年に登場した同社製の電子メールクライアント「JustMail」とPIMソフト「FullBand」を刷新し、HTMLメールの送受信に対応しました。複数アカウントの管理がしやすい3ペイン形式の画面デザインを採用し、低スペックなコンピュータでも軽快に動作するのが特徴でした。1999年には「Shuriken 2.0」となり、マルチユーザー対応やスケジュールソフト「Sasuke」との連携機能が追加されました。また、バンドル元のソフトウェアによっては、音声認識技術「ViaVoice」によるボイスコマンド操作に対応したバージョンも存在しました。
2000年の「Shuriken Pro」発売以降はProシリーズの開発に注力し、2002年10月発売の「一太郎Lite2/R.2」を最後に製品へのバンドルは打ち切られました。バンドルソフト版の最終バージョンは「Shuriken 2.21」で、1.x系のShurikenにも適用可能なセキュリティアップデータによって提供されました。ただし、ボイス機能を搭載したバージョン向けのアップデータは用意されず、Pro版への乗り換えが推奨されました。
2000年3月10日、「Shuriken Pro」が単体ソフトウェアとして発売されました。Palmデバイスとの連携や画面デザインのカスタマイズ機能、携帯電話宛のメール送信機能など、当時の国内ニーズに合わせた機能が多数搭載されました。日経BP社の「第13回190万読者が選ぶパソコン・ベスト・ソフト」で「日経モバイル エディターズ・チョイス賞」を受賞するなど、高い評価を得ました。
2002年4月24日には「Shuriken Pro2」が発売され、SMTP認証に対応するなど、使い勝手や操作性の向上が図られました。また、添付ファイルであるウイルス本体をユーザ自身が直接実行しない限り感染しないという、高い安全性も評価されました。
2003年3月20日には「Shuriken Pro3」が発売され、S/MIME|S_MIME、IMAP4、LDAP、多言語メールへの対応、メールボックスとアドレス帳の暗号化保存など、ビジネスシーンでの利用を重視した機能が追加されました。また、企業向けの一括導入・集中管理に適した「Corporate Edition」も提供されました。その後も機能向上を重ね、2005年には学習型迷惑メールフィルターが追加されました。
2007年3月9日には、「Shuriken 2007」が発売され、製品名から「Pro」の文字が消えました。Windows Vistaに合わせてインターフェースデザインが大幅に改良され、カラーバリエーション機能が導入されました。以降も、学習型迷惑メールフィルターの強化や、フォルダウォッチ機能の追加など、機能向上が続けられました。
2009年にはUnicodeに対応し、メール内での複数言語の混在表示が可能になりました。また、Mozilla Thunderbirdからのメール移行への対応、メールの分割送信機能などが追加されました。2010年には主要各社のWebメールに対応し、付箋機能やHTMLメールの表示切り替え機能が搭載されました。
2010年には、戦国武将や幕末志士をモチーフにしたスピンオフ作品「歴史メール」シリーズも発売されました。2011年にはUSBメモリ上で動作する「Shuriken Portable」が登場し、音声読み上げ機能も搭載されました。
2012年には、キーワードや差出人メールアドレスを登録しておくとポップアップ表示する「Shurikenアテンション」機能が追加され、印刷機能も強化されました。一方、カスペルスキー・ラボ製品との連携機能は削除されました。
2014年には高解像度ディスプレイに対応したレイアウト変更、文例呼び出し機能、一太郎との連携による文章校正機能が追加されました。
2016年には、送信メールチェック機能の充実、ドコモメールの受信対応、Gmail設定の簡略化などが図られ、2018年にはWindowsのセキュリティ対策ZoneIDへの対応やS/MIME|S_MIMEのセキュリティ向上、4Kディスプレイ対応などが施されました。
個人向け製品は2020年のバージョンアップは行われず、Shuriken 2018が最終バージョンとなりました。2022年2月9日には単体販売も終了しました。
2013年には、法人ユーザー向けに「Shuriken Pro 5」が発売されました。これは「Shuriken 2012CE」の後継として独立したもので、2005年のPro4の直接の後継ではありません。2016年には「Shuriken Pro 6」、2018年には「Shuriken Pro 7」が発売され、法人向け機能が強化されました。法人向け製品は2022年9月30日に販売終了しました。
Shurikenの主な長所としては、形態素解析による高精度な迷惑メールフィルター、業務に役立つ「付箋」「フォルダウォッチ」「ToDoバンク」などの機能、複数メールアドレスの使い分け、他社製メールソフトからの移行の容易さ、セキュリティ性能の高さなどが挙げられます。一方、短所としては、独特なルック＆フィール、一部HTMLメールの表示問題、メール変換ツールの対応の遅れ、検索機能の挙動などが挙げられます。特に独自のレンダリングエンジンは、表示の問題があった場合、Internet Explorerのエンジンに切り替える必要がありました。
Shurikenは、長年にわたり多くのユーザーに利用された高機能なメールクライアントでしたが、2022年にその歴史に幕を閉じました。
バンドルソフト時代
Shurikenは、当初「J-Mailer（仮称）」という名前で開発されていましたが、1998年7月30日に「一太郎Lite」の付属ソフトとして正式に「Shuriken」としてリリースされました。同年9月発売の「一太郎9」以降、同社のアプリケーションやオフィススイートにバンドルされ、無料で利用できる形式で提供されていました。Shurikenを単体で入手することは不可能で、書籍に付属するCD-ROMを利用するなどの限定的な方法で入手する必要がありました。
1995年に登場した同社製の電子メールクライアント「JustMail」とPIMソフト「FullBand」を刷新し、HTMLメールの送受信に対応しました。複数アカウントの管理がしやすい3ペイン形式の画面デザインを採用し、低スペックなコンピュータでも軽快に動作するのが特徴でした。1999年には「Shuriken 2.0」となり、マルチユーザー対応やスケジュールソフト「Sasuke」との連携機能が追加されました。また、バンドル元のソフトウェアによっては、音声認識技術「ViaVoice」によるボイスコマンド操作に対応したバージョンも存在しました。
2000年の「Shuriken Pro」発売以降はProシリーズの開発に注力し、2002年10月発売の「一太郎Lite2/R.2」を最後に製品へのバンドルは打ち切られました。バンドルソフト版の最終バージョンは「Shuriken 2.21」で、1.x系のShurikenにも適用可能なセキュリティアップデータによって提供されました。ただし、ボイス機能を搭載したバージョン向けのアップデータは用意されず、Pro版への乗り換えが推奨されました。
旧・「Pro」シリーズ
2000年3月10日、「Shuriken Pro」が単体ソフトウェアとして発売されました。Palmデバイスとの連携や画面デザインのカスタマイズ機能、携帯電話宛のメール送信機能など、当時の国内ニーズに合わせた機能が多数搭載されました。日経BP社の「第13回190万読者が選ぶパソコン・ベスト・ソフト」で「日経モバイル エディターズ・チョイス賞」を受賞するなど、高い評価を得ました。
2002年4月24日には「Shuriken Pro2」が発売され、SMTP認証に対応するなど、使い勝手や操作性の向上が図られました。また、添付ファイルであるウイルス本体をユーザ自身が直接実行しない限り感染しないという、高い安全性も評価されました。
2003年3月20日には「Shuriken Pro3」が発売され、S/MIME|S_MIME、IMAP4、LDAP、多言語メールへの対応、メールボックスとアドレス帳の暗号化保存など、ビジネスシーンでの利用を重視した機能が追加されました。また、企業向けの一括導入・集中管理に適した「Corporate Edition」も提供されました。その後も機能向上を重ね、2005年には学習型迷惑メールフィルターが追加されました。
「2007」以降
2007年3月9日には、「Shuriken 2007」が発売され、製品名から「Pro」の文字が消えました。Windows Vistaに合わせてインターフェースデザインが大幅に改良され、カラーバリエーション機能が導入されました。以降も、学習型迷惑メールフィルターの強化や、フォルダウォッチ機能の追加など、機能向上が続けられました。
2009年にはUnicodeに対応し、メール内での複数言語の混在表示が可能になりました。また、Mozilla Thunderbirdからのメール移行への対応、メールの分割送信機能などが追加されました。2010年には主要各社のWebメールに対応し、付箋機能やHTMLメールの表示切り替え機能が搭載されました。
2010年には、戦国武将や幕末志士をモチーフにしたスピンオフ作品「歴史メール」シリーズも発売されました。2011年にはUSBメモリ上で動作する「Shuriken Portable」が登場し、音声読み上げ機能も搭載されました。
2012年には、キーワードや差出人メールアドレスを登録しておくとポップアップ表示する「Shurikenアテンション」機能が追加され、印刷機能も強化されました。一方、カスペルスキー・ラボ製品との連携機能は削除されました。
2014年には高解像度ディスプレイに対応したレイアウト変更、文例呼び出し機能、一太郎との連携による文章校正機能が追加されました。
2016年には、送信メールチェック機能の充実、ドコモメールの受信対応、Gmail設定の簡略化などが図られ、2018年にはWindowsのセキュリティ対策ZoneIDへの対応やS/MIME|S_MIMEのセキュリティ向上、4Kディスプレイ対応などが施されました。
個人向け製品は2020年のバージョンアップは行われず、Shuriken 2018が最終バージョンとなりました。2022年2月9日には単体販売も終了しました。
「Pro」シリーズ
2013年には、法人ユーザー向けに「Shuriken Pro 5」が発売されました。これは「Shuriken 2012CE」の後継として独立したもので、2005年のPro4の直接の後継ではありません。2016年には「Shuriken Pro 6」、2018年には「Shuriken Pro 7」が発売され、法人向け機能が強化されました。法人向け製品は2022年9月30日に販売終了しました。
特徴
Shurikenの主な長所としては、形態素解析による高精度な迷惑メールフィルター、業務に役立つ「付箋」「フォルダウォッチ」「ToDoバンク」などの機能、複数メールアドレスの使い分け、他社製メールソフトからの移行の容易さ、セキュリティ性能の高さなどが挙げられます。一方、短所としては、独特なルック＆フィール、一部HTMLメールの表示問題、メール変換ツールの対応の遅れ、検索機能の挙動などが挙げられます。特に独自のレンダリングエンジンは、表示の問題があった場合、Internet Explorerのエンジンに切り替える必要がありました。
Shurikenは、長年にわたり多くのユーザーに利用された高機能なメールクライアントでしたが、2022年にその歴史に幕を閉じました。
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