SoftBank 912SH

SoftBank 912SHは、シャープが開発しソフトバンクモバイルから発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。「AQUOSケータイ」シリーズの3代目モデルとして、「AQUOSケータイ 3rd MODEL」という通称でも知られています。2007年6月9日に発売され、後継機種は「AQUOSケータイ 4th MODEL」のSoftBank 920SH（2007年11月19日発売）です。

デザインとディスプレイ

SoftBank 912SHは、SoftBank 905SH、SoftBank 911SHに続く3代目AQUOSケータイとして、エッジのない平面で構成されたミニマリズムデザインを採用しています。裏面はマット仕上げとなっており、落ち着いた印象を与えます。ディスプレイには3インチワイドVGA、26万色表示のモバイルASV液晶を搭載。当時の他機種では、消費電力やレスポンスの問題でGUIがQVGAの拡大表示になることが多かった中、912SHはムービー再生を除くすべての画面でWVGA表示を可能にしました（ムービー再生はVGA表示）。

機能

SoftBank 912SHは、メインメニュー、メール、アドレス帳、スケジュールなど、ほとんどの画面でサイクロイド機構による横画面表示が可能です。ワンセグ機能も強化され、マルチジョブでの横画面表示に対応し、Bluetoothによるワイヤレス再生やタイムシフト再生など、使い勝手が向上しています。大容量バッテリーと省電力技術により、最長5時間20分の連続視聴が可能です。カメラは、前モデルの200万画素CMOSから、手ぶれ補正付き320万画素CCDへと進化し、パノラマ撮影も可能になりました。

PCサイトブラウザを搭載し、横画面でPC向けサイトを閲覧できます。高精細液晶により表示領域も広がり、下り3.6MbpsのHSDPA方式「3Gハイスピード」に対応し、PCライクな操作性をサポートします。ただし、キャリア側では読み込み容量が最大500KBに制限されているため、表示できないサイトも存在します。サードパーティー製のアプリ（jigブラウザなど）を利用することでこの制限を回避できますが、マルチジョブや画面の回転連動には対応していません。

ステレオスピーカーを搭載し、ヤマハのサラウンド技術により臨場感あるサウンドでワンセグや音楽、効果音を楽しめます。microSDに録画したワンセグ動画をPCで再生するためのソフトウェア「SD-MobileImpact V1.0」が付属しており、後にパナソニックのサイトからV1.5へのアップデートプログラムが提供され、CM検出などの機能が追加されました。

バッテリー容量は1000mAhと、当時の携帯電話としてはトップクラスの大容量で、全体的にバッテリーの持ちが良いのが特徴です。その反面、前モデルの911SHよりも厚みが増し、重量も増しました。932SHが発売されるまでの約2年間、サイクロイド機構、CCDカメラ、インカメラ、ステレオスピーカーを搭載した機種は発売されず、バッテリーの持ちの良さも相まって、ヘビーユーザーに人気がありました。

主な機能・サービス

ミュージックプレイヤー
Bluetooth
赤外線通信（IrDA）（高速赤外線対応）
マイ絵文字
フィーリングメール
カスタムスクリーン
バイリンガル
QRコード読み取り・作成
ドキュメントビューア（Microsoft Word(.doc), [Microsoft Excel], [Microsoft PowerPoint], PDFデータ(.pdf)のみ）
顔認証機能
国際ローミング非対応

その他

発売後、ソフトウェアのアップデートが数回行われましたが、内容は公式には明らかにされていません。一説には、「ワンセグの電波状況改善」や「ピクチャーのサムネイル表示速度の高速化」などが挙げられています。SoftBank 912SHは、後継機種である920SHや低価格版の822SHとの混同を避けるためか、ほとんど値引きされることなく販売終了となったことでも知られています。

関連事項

ソフトバンクモバイルの端末一覧
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