SoftBank 922SH

SoftBank 922SHは、シャープが開発しソフトバンクモバイルから2008年3月28日に発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。通称「インターネットマシン」として知られ、当時の携帯電話としては珍しい横開き型の2Wayスタイルを採用していました。この端末の最大の特徴は、QWERTYキーボードを搭載している点です。これにより、メールや文書作成が容易になり、ビジネスシーンでの活用も想定されていました。

主な機能とサービス

922SHは、当時の最先端技術を搭載していました。音楽再生機能として、Windows Media Audioに対応したミュージックプレイヤーを搭載。Bluetoothによるワイヤレス通信、高速赤外線通信（IrDA）にも対応しており、データ交換もスムーズに行えました。また、デルモジ表示やマイ絵文字、フィーリングメールなど、コミュニケーションを豊かにする機能も搭載されていました。

ビジネスシーンで役立つ機能としては、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、PDF形式のドキュメントビューアを搭載。外出先でも資料の閲覧が可能です。さらに、電子辞書や世界対応ケータイ機能も備え、海外での利用もサポートしていました。QRコードの読み取り・作成機能も搭載され、幅広い用途に活用できました。

デザインとコンセプト

ソフトバンクの孫正義社長が提唱した「ケータイをインターネットマシンへと進化させる」というコンセプトを具現化した端末です。シャープとソフトバンクモバイルが共同開発し、従来の携帯電話の枠を超えた意欲作として注目を集めました。電子辞書やノートパソコンのような横開き型の筐体に、3.5インチフルワイドVGA液晶ディスプレイを搭載し、高い視認性を確保。QWERTYキーボードとの組み合わせで、快適な文字入力が可能でした。

PDAのような外観ながら、Windows Mobileなどのスマートフォン用OSは搭載していません。代わりに、シャープ独自のUIとYahoo!ケータイ、SoftBank 3Gの標準サービスを利用できます。PCサイトブラウザは、読み込み容量が従来の2倍となる1MBに増強され、PC向けのサイトも快適に閲覧できました。PCメールにも対応しており、POP3メールなどの送受信も可能でしたが、PCサイトブラウザと同様に課金される点には注意が必要です。

不具合

発売後、いくつかの不具合が報告されています。例えば、新着S!メールの受信操作をしないと、新着メールが表示されない場合がありました。また、Bluetooth機能に不具合が発生する個体も多く報告されています。これらの不具合は、ソフトウェアのアップデートで改善されることもありましたが、ユーザーにとっては不便な点でした。

関連項目

SoftBank 922SHは、ソフトバンクモバイルの端末一覧の中でも、特に特徴的な端末です。ワンセグや電子辞書といった機能は、当時の携帯電話には珍しいものでした。また、3.5インチフルワイドVGAディスプレイを搭載したFOMA端末であるP905iTVや、スライド式QWERTYキーボードを搭載したSH-04A、SH-03Bといった端末も、922SHと関連性の高い端末として挙げられます。さらに、biblioやGALAPAGOS SoftBank 005SHなど、同様のコンセプトを持つ端末も存在します。

外部リンク

ソフトバンクモバイルの公式サイトでは、922SHに関する詳細な情報が掲載されています。また、シャープの公式サイトには、922SHの製品情報や仕様が掲載されていました（現在はアーカイブ）。これらの外部リンクを参照することで、922SHに関するより詳しい情報を得ることが可能です。

SoftBank 922SHは、当時の携帯電話の進化を象徴する一台であり、インターネットと携帯電話の融合を追求した端末として、その存在意義は大きいと言えるでしょう。

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