SoftBank 930SH

SoftBank 930SHは、シャープが開発し、ソフトバンクモバイルから発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。このモデルは、特にカメラ機能に重点を置いており、当時の携帯電話としては高画素である800万画素のCCDカメラを搭載しています。手ブレ補正機能とオートフォーカス機能も備え、暗所や動きのある被写体でもクリアな撮影が可能でした。

特筆すべき点として、画像処理エンジンにはシャープが独自に開発した「ProPix」が初めて採用されました。このProPixは、以降のシャープ製CCDカメラ搭載携帯電話に広く採用され、高画質化に貢献しました。ディスプレイには、3インチのフルワイドVGA NewモバイルASV液晶を採用。高輝度バックライト、6色カラーフィルタ、リフレクトバリアコートといった技術により、約1677万色の豊かな色彩表現を実現しています。

高画質カメラ、ワンセグチューナー、大型ディスプレイといった機能を持ちながらも、本体の幅は48mmに抑えられ、手に収まりやすいコンパクトなサイズ感が追求されました。デザイン面では、従来のシャープ製端末に見られる2軸折りたたみ式ではなく、一般的な折りたたみ式を採用しています。ワンセグ機能を搭載しているものの、AQUOSケータイのブランドは冠されていません。

主な機能としては、ミュージックプレイヤー機能、Bluetooth、赤外線通信、フィーリングメール、カスタムスクリーン、バイリンガル対応、QRコード読み取り・作成機能があります。また、ドキュメントビューアも搭載しており、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、PDFといった形式のファイル閲覧に対応しています。

SoftBank 930SHは2008年10月30日にソフトバンクモバイルより公式発表され、同年11月21日に発売されました。同時期には、NTTドコモ向けのシャープ製端末としてSH-01AとSH-03A、au向けの機種としてカシオのW63CAなどが発表されており、各社が高画素カメラ搭載モデルに力を入れていたことが伺えます。

関連情報として、SoftBank 930SHの詳細なスペックや機能については、ソフトバンクの公式ウェブサイトやシャープのアーカイブページで確認できます。また、ProPixはシャープの画像処理技術の中核を担う存在であり、関連する情報も多く公開されています。

この端末は、高画質カメラと大型ディスプレイを搭載しつつ、携帯性を追求したモデルとして、当時多くのユーザーに支持されました。シャープの技術力が凝縮された一台と言えるでしょう。

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