Su-24 (航空機)

Su-24（スホーイ24）

スホーイ24（Su-24）は、ソ連時代に開発された大型の戦闘爆撃機であり、冷戦期の航空技術の進歩を代表する機体です。設計はスホーイ設計局によって行われ、かわるがわるの形態や機能を持つ多用途機として評価されています。NATOでは「フェンサー」というコードネームで呼ばれ、ロシアではその多様性から「チェマダーン」という愛称でも知られています。

開発の背景

1960年代、アメリカ合衆国のF-111やF-4ファントムIIなど優れた戦闘爆撃機が次々に誕生する中、ソ連は後れをとることのないよう、戦闘爆撃機の開発に着手しました。そこで、スホーイ設計局にその任務が委託され、戦闘爆撃機の設計が進められました。最初の案は、固定翼機を基本としたものであり、後に可変翼機案が採用されることになります。

1967年、初期プロトタイプ「T6-1」が初飛行し、間接的な設計改良が施されましたが、1970年には可変後退翼機にシフト。この機体は「T6-2I」と名付けられ、初飛行の後、最終的に量産型「Su-24」として1973年からソ連空軍に引き渡されました。

実戦配備は1975年に開始され、この機体は40年以上にわたって空軍の中核となっていますが、次世代機であるSu-34の登場もあります。現在も、Su-24はそのアップグレードが進められ、第一線で活躍が期待されています。

性能の詳細

Su-24は、可変翼機構と並列複座のキャビンを特徴としています。主翼は最大69度の前縁後退角を持ち、可変角度により速力と安定性を両立しています。このデザインにより、低空での高速飛行が可能となり、様々な状況に対応できる性能を有しています。また、整備性も高く、未舗装の滑走路からの運用も実現しています。

機体の後部には冷却空気取入れ口が設けられており、機器の冷却を確保しています。兵装は、胴体下部に装備されたハードポイントや主翼に設けられた兵装パイロンを利用して、最大8,000kgの兵器搭載が可能です。多様な無誘導爆弾や誘導ミサイル、核兵器も運用できる柔軟性が特長です。

運用と実績

Su-24はアフガニスタン紛争から実戦に投入され、以降も様々な戦争に参加しています。近年では、シリア内戦やロシアのウクライナ侵攻において、その実力が証明されています。また、電子戦機型や偵察機型など派生型も存在し、各国で広く運用されています。

特にシリア内戦では、ロシアの航空攻撃の主力として活躍。さらにはトルコとの国境付近での事件などが国際的に注目されました。2022年以降のウクライナ危機では、両国が同型機を運用し、戦闘が続いています。

まとめ

その豊かな性能や多用途性から、Su-24は冷戦時代から現在に至るまで重要な支柱となっており、今後もその姿勢を維持し続けると予想されます。また、映画や小説、ゲームなどさまざまな文化作品にも取り上げられるなど、航空機としての存在価値を確立しているという点も見逃せません。

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