T24機関銃

T24機関銃

T24機関銃は、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国で試作された機関銃です。これは、ナチス・ドイツが開発したMG42機関銃をリバースエンジニアリングによってコピーしたもので、アメリカ軍歩兵分隊におけるブローニングM1918自動小銃とブローニングM1919A4機関銃の両方を置き換えることを目的としていました。アメリカ軍の標準小銃弾である.30-06スプリングフィールド弾を使用するように設計され、試験中には「.30口径軽機関銃T24」という正式名称で呼ばれていました。

開発の背景

第二次世界大戦中、ドイツの銃器設計者たちは、製造効率を重視した設計哲学を共有していました。MG42機関銃は、その代表的な例です。プレス成形を多用したMG42に対し、当初アメリカ兵は嘲笑を浮かべていましたが、その容易かつ安価な製造可能性が明らかになるにつれて、評価は一変しました。1943年2月、アメリカ武器省の関係者は、鹵獲したMG42の試験結果を基に、最初の報告書を作成しました。その中で、交換が容易な銃身と弾帯給弾の構造が、特に優れた設計として評価されました。先進的な設計思想と、当時使用されていた軽/中機関銃と比較して高い製造効率から、アメリカ陸軍はMG42の製造を試み、その一環として、いくつかのMG42を.30-06スプリングフィールド弾仕様に改造することが決定されました。オリジナルのMG42は、ドイツの標準小銃弾である7.92x57mmモーゼル弾を使用し、1,200〜1,500発/分という非常に高い発射速度を誇っていました。

開発の経緯

ゼネラルモーターズ社のサギノー・ステアリング・ギア部（Saginaw Steering Gear Division）は、T24と名付けられた改造MG42の試作銃を2丁製造する契約を結びました。これらの試作銃は、M2三脚に取り付けることも可能とされました。試作銃は、7.92x57mm弾仕様のMG42のほぼ完全なコピーでしたが、いくつかの変更点も加えられていました。例えば、銃身は.30-06弾の射撃を想定したものに変更され、アメリカ軍の運用に適した発射速度を実現するために、ボルトの重量は1,332gまで増加されました。MG42は、ボルトとリコイルスプリングを交換することで発射速度を変更できます。重いボルトと強力なスプリングを組み込むことで、発射速度を低下させることが可能です。サギノー・ステアリング・ギア部に引き渡され、リバースエンジニアリングの対象となったMG42には、非常に軽量な505gのボルトが組み込まれていました。また、.30-06弾の薬莢は7.92x57mm弾よりも6.35mm長かったものの、試作銃ではこの寸法差を考慮した十分な変更が行われませんでした。

開発を加速させるため、サギノー・ステアリング・ギア部と当局の契約は1943年12月に打ち切られ、試作銃と部品はスプリングフィールド造兵廠に引き渡されました。図面は1943年6月に完成し、同年10月1日にアバディーン性能試験場にて最初の射撃テストが行われましたが、深刻な動作不良が発生しました。1944年1月から2月にかけて、試験を再開できる状態にするため、様々な部品の交換や変更が試みられました。しかし、これらの試みはすべて不調に終わり、100発の射撃を行う際に2、3発ずつのバースト射撃しかできず、陸軍が基準として求める10,000発の射撃試験を達成できるレベルには改善されませんでした。最終的に、51回の故障と合計1,583発の射撃の後、この銃はさらなる開発が必要であると判断され、射撃は中止されました。

調査の結果、薬莢長の差に基づく寸法調整の不備が明らかになりました。T24はレシーバーが長すぎた上、ボルト側面のラグの位置が悪く、反動で十分に後退させることが困難でした。これらの欠陥が重なった結果、レシーバーヨークとカートリッジガイドプレートが約6.35mm干渉し、動作不良を引き起こしていました。これらの重大な欠陥を修正するには、大規模な再設計が必要であると結論付けられました。さらに、軍部が新型機関銃に求めた要件（セレクティブファイア機能、300-350発/分程度の発射速度、約10kg以下の重量など）からも大きく逸脱していたため、T24の開発は放棄されました。

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