T92 240mm自走榴弾砲

T92 240mm自走榴弾砲

T92 240mm自走榴弾砲は、第二次世界大戦中にアメリカ合衆国で開発された自走砲です。同じくM1 8インチ砲を搭載したT93自走砲も開発されましたが、どちらも少数生産に留まり、実戦投入前に終戦を迎えています。

開発経緯

牽引式のM1 240mm榴弾砲は、その重量故に運用が困難でした。そこで、M4シャーマン中戦車の車体に155mm榴弾砲を搭載した経験から、T26E3重戦車（後のM26パーシング）の車体に240mm榴弾砲が搭載可能であると判断されました。また、同一車体を用いてM1 8インチ砲を搭載する計画も立ち上がり、こちらはT93自走砲と呼称されました。これらの車両は、「重戦闘チーム」の一部として運用される予定でした。

車体は、両側面に7個の転輪を配置するために延長され、転輪が1つ追加されました。また、駆動輪も車体前方へ移動されています。

1945年3月には、4両の試験車両が限定的に調達され、最初の車両が同年7月に完成しました。最終的に5両が生産され、T93自走砲は2両が9月に完成しています。しかし、第二次世界大戦の終結により、全ての契約が打ち切られました。

運用

T92自走砲およびT93自走砲の試験結果は良好で、日本本土侵攻作戦であるダウンフォール作戦での使用が計画されました。この作戦のために、コンクリートに対する貫通弾として使用できる特別な信管が開発されました。

T92自走砲とT93自走砲は太平洋戦線への輸送準備が進められていましたが、1945年8月15日の日本の降伏により作戦は中止となりました。

現存車両

現存するT92自走砲は、ミシガン州ウォーレンのデトロイト工廠に保管されています。

派生型

T92自走砲に関連する車両として、T93自走砲が製造されました。T93自走砲は、240mm榴弾砲の代わりに長砲身のM1 8インチ砲を搭載していました。

登場作品

ゲーム
World of Tanks
アメリカ自走砲「T92 HMC」として開発可能。

関連項目

M110 203mm自走榴弾砲

参考文献

R.P. Hunnicutt. Pershing: A History of the Medium Tank T20 Series. ISBN 978-0982190708

外部リンク

T92 HMC pictures and specifications, wwiivehicles.com website (retrieved 2014-02-28)
* T93 GMC pictures and specifications, wwiivehicles.com website (retrieved 2014-02-28)

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