TAK

TAK（Tom's lossless Audio Kompressor）は、可逆圧縮の音声ファイルフォーマットであり、同時にその圧縮・展開を行うためのコンプレッサーです。フリーウェアとして提供されており、音質の劣化なしに音声データを圧縮できることが特徴です。

概要

TAKは、FLACのコードをベースに開発されたロスレスオーディオコンプレッサーです。開発当初はYalacという名前で知られていました。可逆圧縮方式を採用しているため、元の音声データから一切の音質劣化がありません。圧縮性能は非常に高く、Monkey's Audioと同等かそれ以上の圧縮率を実現しつつ、FLACと同等以上の高速なエンコード・デコード速度と再生時の負荷の軽さを兼ね備えています。さらに、内部cueシートのサポートなど、総合的に高い性能を誇っています。

TAKは無償で利用できますが、オープンソースではありません。そのため、以前は対応している再生・エンコードソフトウェアが限られていました。しかし、現在は公認のDirectShowフィルターが提供されたことで、Windows Media Playerなどでも再生が可能になっています。また、開発者向けにデコード用のSDKが公開され、公式以外のアプリケーションからも容易に利用できるようになりました。FFmpegには独自のオープンソースデコーダが実装されており、デコードに関してはWindows以外のプラットフォームでも利用可能です。

TAKはVer 1.x系列の開発を終了し、現在はVer 2.x系列の開発が進められています。最新版はVer 2.3.2 Final（2022年5月6日）であり、最新評価版はVer 2.3.3 beta3（2022年6月2日）としてリリースされています。

特徴

TAKは、以下のような特徴を持っています。

最大24ビット、192 kHz、16chまでのオーディオデータをサポート（コーデックとしては6chに制限）。
Monkey's Audioと同等以上の高い圧縮率を実現。
FLACと同等以上の高速なエンコード・デコード速度。
インテル製CPUの場合、複数のコアを利用した並列処理による高速なエンコード・デコードが可能。
シークテーブルなしでも高速かつ正確なシークが可能。
エラー耐性の高いデータ構造とCRCによるエラー検出。
MD5チェック機能によるファイルの信頼性検証。
APEtag対応で、ファイル内にメタデータを格納可能。
内部cueシートに対応し、複数の音楽データを1つのファイルにまとめて扱える。
画像データの格納に対応し、ジャケット写真などを表示可能（Mp3tagなどで格納、Foobar2000などで表示）。
歌詞データの格納に対応し、カラオケのように表示が可能。
ログの格納に対応し、エンコード時の環境などを確認可能。
ID3タグとの高い互換性。
ストリーミングでの利用に適したデータ形式。
クローズドソースであったため対応ソフトウェアが限られていましたが、現在はデコード用SDKの公開やFFmpegへのデコーダ実装により改善。
エンコードは、tak.exe本体の他、Exact Audio CopyやFoobar2000などのtakc.exeを外部エンコーダーとして利用できるソフトウェアで可能。
DirectShowフィルターにより、DirectShow対応ソフトウェアで利用可能。

Hydrogenaudioのアンケート調査によると、可逆音声ファイル形式の中では、FLACに次いで2番目に普及しているとされています（2018年時点）。

公認サポートソフトウェア

caudec - トランスコーダー
dsfTAKSource - DirectShowフィルター
Exact Audio Copy - リッパー・ライター
Foobar2000 - オーディオプレーヤー
GermaniX Transcoder - トランスコーダー
ImgBurn - リッパー・ライター
Mp3tag - タグエディター
Quintessential Player - オーディオプレーヤー
shntool -
Winamp - メディアプレーヤー
XMPlay - メディアプレーヤー
xrecode II - トランスコーダー

関連項目

可逆圧縮
音声圧縮
音声ファイルフォーマット
FLAC
Apple Lossless
Monkey's Audio
TTA (The True Audio)
Windows Media Audio
WavPack
foobar2000

外部リンク

thbeck.de(公式サイト)
* dsfTAKSource(Tak DirectShowFilter)

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