TTA

TTA（The True Audio）は、GPLライセンスで提供される、リアルタイム可逆圧縮オーディオエンコーダー/デコーダーです。

特徴

可逆圧縮: 音声を劣化させることなく圧縮できるため、元の音質を完全に復元可能です。
ハードウェアサポート: ハードウェアへの実装を容易にすることを目標に開発が進められています。
リアルタイム処理: リアルタイムでのエンコード/デコードが可能なアルゴリズムを採用しており、高速な処理が可能です。
クロスプラットフォーム: 異なるプラットフォームでのコンパイルと実行に対応しています。
オープンソース: フリーのオープンソースとして公開されており、技術情報も文書で提供されています。
タグ対応: ID3タグとAPEタグを利用できます（ただし、公式のエンコーダ・デコーダではタグの読み書きはサポートされていません）。

他のコーデックとの比較

FLAC: デコード速度や再生時のハードウェア負荷ではFLACに劣ります。
Monkey's Audio: 圧縮率ではMonkey's Audioに劣ります。
TAK: エンコード速度と圧縮率のバランスでは優れていますが、最近ではより高度なデコード・エンコード能力を持つTAKに利用率で押されつつあります。

利用例

MKA形式: Matroskaコンテナ（.mkvや.mka）に対応しており、音楽CDを一つのMKAファイルにまとめることができます。(tta+cue).mkaという形式で利用できます。
変換ツール: MKA変換機というツールを利用し、ファイルチェックモードを有効にしてMUXすることで、MUX前/DEMUX後のCRC16が一致するまで変換を試みることができ、多くの場合でサンプル欠損を回避できます。

TTAを利用したコンテナ形式の例

(TTA).tta
(TTA).mka
(DivX+TTA).mkv

タグについて

TTAはID3タグとAPEタグに対応しており、これらのタグを付加してもフォーマットとしての互換性が保たれます。ただし、公式に提供されているエンコーダ・デコーダやライブラリでは、タグの読み書きはサポートされていません。また、現行のDirectShowフィルターではタグ情報の表示ができないため、foobar2000のプラグインやSuperTagEditor改造版などの特定のツールでのみ解釈が可能です。

長所

可逆圧縮による音質の維持。
ファイルサイズを約3割程度縮小可能。
リアルタイムエンコード/デコードによる高速処理。
様々なプラットフォームでの利用。
技術情報の公開。
ハードウェア実装の容易さ。
ID3タグ、APEタグの利用。

関連項目

可逆圧縮
音声圧縮
FLAC
Apple Lossless
Monkey's Audio
TAK
WMA Lossless
WavPack
foobar2000

外部リンク

TAU SOFTWARE（英語）
MUSIC PC - MKA変換機の配布元

TTAは、可逆圧縮による音質維持とリアルタイム処理能力を兼ね備えたコーデックとして、特定のニーズに応える選択肢の一つと言えるでしょう。

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