Apple Lossless

Apple Lossless（アップル ロスレス、英語: Apple Lossless Audio Codec、略称: ALAC）は、Appleが開発した可逆圧縮方式のオーディオコーデックです。このコーデックは、非圧縮のオーディオフォーマットであるWAVやAIFFファイルを、元の容量から約40%から60%程度に圧縮することができます。これにより、音質を損なうことなくファイルサイズを小さくすることが可能となり、ストレージ容量を節約しながら高音質な音楽を楽しむことができます。

Apple Losslessの大きな特徴の一つは、そのエンコードとデコードの速度が速いことです。これにより、ファイルの変換や再生がスムーズに行われ、ストレスなく音楽を楽しむことができます。通常、Apple Losslessで圧縮されたオーディオファイルは、QuickTimeのMOVファイル（.mov）またはMP4ファイル（.m4a）に格納されます。

このコーデックは、iTunes 4.5とQuickTime 6.5.1で初めてサポートされました。対応する量子化ビット数は16、20、24、32bitで、サンプリング周波数は1kHzから384kHzまで、チャンネル数は1chから8chまでをサポートしています。実際の使用例としては、モノラル、ステレオ、3.0ch、4.0ch、5.0ch、5.1ch、6.1ch、7.1chなどの様々なチャンネル構成に対応しています。

Apple Losslessに対応した再生機器としては、iPodシリーズ（ただし、第1・2世代iPod shuffleは非対応）、iPhone、ソニーのウォークマンZXシリーズ、ウォークマンFシリーズ、ウォークマンAシリーズ、iriver AKシリーズなどが挙げられます。また、Androidベースのプレーヤーでも、対応アプリをインストールすることで再生が可能です。さらに、一部のネットワークプレーヤーもこのコーデックの再生に対応しています。

Apple Losslessの仕様が非公開であった頃、リバースエンジニアリングによってオープンソースのデコーダが開発されました。その後、FFmpegはエンコーダの実装にも成功しています。2011年10月には、Apple自身がApple Losslessをオープンソース化し、Apache License 2.0の下でソースコードを公開しました。これにより、より多くのプラットフォームでApple Losslessが利用可能になりました。

2021年5月17日、AppleはApple Musicにおいて、同年6月からApple Losslessによる配信を開始することを発表しました。これにより、Apple Musicのユーザーは、ロスレスの高音質で音楽を楽しむことができるようになりました。また、2016年に発売されたWindows 10以降では、Windows Media PlayerやGrooveミュージックでApple Losslessの再生が可能になっています。

関連事項

• - TAK
• - AAC
• - FLAC
• - Monkey's Audio
• - TTA
• - WavPack
• - WMA Lossless
• - MPEG-4 ALS
• - MPEG-4 SLS
• - MPEG-4 DST
• - 線形予測法

外部リンク

• - Apple Lossless Audio Codec - Mac OS Forge (公式[ソースコード]]公開サイト)
• - [Apple - iPod + iTunes
• - refalac
• - ALAC Decoder (crazney.net)
• - Apple Lossless decoder (RareWares)
• - ソニー プレスリリース ウォークマン史上初 ハイレゾリューション・オーディオ音源対応『NW-ZX1』、Fシリーズ （新たにFLACやApple Lossless、AIFFなどの高音質コーデックに対応）

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