TAMA Drums

TAMA Drums（タマドラム）

TAMA Drumsは、日本の楽器メーカーである星野楽器が製造・販売するドラムセットおよびハードウェアのブランドです。

概要

1974年に星野楽器のドラムブランドとして設立されました。製品の研究開発、プロ仕様およびハイエンドモデルのドラムは日本の瀬戸で製造され、ハードウェアおよびローエンドモデルのドラムは中国の広州で製造されています。星野楽器は、マーケティングおよび卸売販売のために世界中にオフィスを構え、米国市場向けのTAMAドラムは、ペンシルベニア州ベンサレムにあるHoshino (U.S.A.)で組み立ておよび在庫管理がなされています。また、この米国の子会社は、製品の市場調査および開発にも貢献しています。

歴史

1966年、星野楽器はStar Drumsのブランド名でドラムの製造を開始しました。ブランド名は創業者・星野義太郎の姓である「星野」に由来します。これらのドラムは、星野の子会社である多満製作所で製造されました。この製作所は1962年にアイバニーズのギターとアンプの製造を開始するために設立されましたが、1966年までにギターとアンプの製造は外部に移管され、ドラムの生産のみが継続されました。Star DrumsからImperial StarとRoyal Starという2つの上位モデルがアメリカ市場に導入され、当時のRogers、Ludwig、Slingerlandなどが販売していた高価なアメリカ製ドラムと競合し、成功を収めます。

1974年、星野楽器は高品質なドラムとハードウェアを製造し、TAMAブランドでマーケティングを開始しました。TAMAのブランド名は星野楽器の創業者・星野義太郎の妻の名前「星野多満」に由来します。また、TAMAのドラムセットのモデル名にStarの名称が使用されているのは、前身ブランドであるStar Drumsの名残です。

1977年、TAMAとドラム・ワークショップ（DW）は、経営破綻したCamco Drum Companyを共同で買収しました。この買収により、DWはCamcoの金型および製造設備を継承し、TAMAはCamcoのブランド名、デザイン、エンジニアリング、および特許権を継承しました。当時、Camcoは市場で最も優れたドラムペダルを製造するメーカーとして知られており、DWは元の金型を使用してそのペダルの製造を継続し、DW5000として再ブランド化しました。一方、TAMAは同じペダルをCamcoのブランド名で製造を継続し、TAMAブランドバージョンのCamcoペダルは、オリジナルのCamcoペダルと区別するために一般的に「Tamcoペダル」と呼ばれています。TAMAは継承したCamcoのエンジニアリングをすべての製造プロセスに導入したことで、ドラムの総合的な品質が短期間で向上しました。買収当初、低価格のTAMAドラムを初心者向けにマーケティングし、Camcoブランドからプロミュージシャン向けの高品質なドラムを販売する計画でしたが、低価格ながら高品質なハードウェアであったことから、ビリー・コブハムなど世界のトップアーティストとの契約が後押しとなり、プロミュージシャンたちもTAMAドラムを使用するようになりました。

TAMAは、耐久性のあるハードウェアや、1970年代の他の多くのブランドとは異なりシェルに干渉しないドラムマウントシステムを最初期に市場へ供給したことで知られています。また、1980年にはシェルの幅でなく深さを調整することでピッチ調整されたオクトバンと呼ばれるオリジナルパーカッションを開発しており、サイモン・フィリップス、スチュワート・コープランド、マイク・ポートノイといった一流のドラマーが使用しています。

2024年、TAMAはブランド設立から50周年を迎えました。

主な使用アーティスト

（詳細なリストは省略）

外部リンク

* TAMA Drums：公式サイト（日本語版）

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