TB-001 (航空機)

TB-001 無人航空機

TB-001は、中華人民共和国に拠点を置く四川腾盾科技（Sichuan Tengden Technology）が設計した偵察及び攻撃型の無人航空機です。この機体は、BZK-005と同様の双胴デザインを採用しており、2基のプロペラで推進します。さらに、3基のエンジンを装備したバリエーションも存在します。

機体の概要

TB-001の全長は10メートル、翼幅は20メートルで、最大離陸重量は2.8トンです。また、ペイロードは1トンに達し、様々な誘導爆弾やミサイルを搭載できる能力を備えています。この機体は中国国内では「双尾蝎」と呼ばれ、TW328とも称されます。航続距離は6000キロメートル、飛行高度は8000メートル、比較的広範囲にわたる作戦が可能です。

運用状況

TB-001は、中国人民解放軍によって運用されているとされ、2021年にはサウジアラビア軍がこの機体の購入契約を交わしました。特筆すべきは、2022年7月25日に宮古海峡を通過し太平洋に出た際、台湾の東側を南下する動きが確認され、日本の航空自衛隊が警戒態勢を強化し、戦闘機をスクランブルさせたことです。この活動は、同年の8月にも確認されており、異常な空域への出入りに対する日本側の対応が際立ちます。

さらに、2022年8月4日には、福建省の沿岸から発射され、台湾上空を飛行した弾道ミサイルの誘導においてTB-001が関与している可能性が取り沙汰されています。2023年4月28日には、TB-001が台湾の周辺を飛行する様子が確認され、特に興味深い点は、空母「山東」との連携の可能性が指摘されている点です。このように、TB-001は単なる無人航空機ではなく、戦略的に重要な役割を担っていると言えるでしょう。

派生型

TB-001にはいくつかの派生型が存在します。基本となるTB-001は8カ所のハードポイントを備えていますが、TB-001Aではこの数が12カ所に増加し、後部にも新たに1基のエンジンが追加されています。このバリエーションは、翼端にウイングレットを追加したことにより、飛行性能も向上しています。

仕様

TB-001の全長は10メートル、翼幅は20メートル、全高は3.3メートルです。性能に関しては、最大離陸重量がTB-001で2800キログラム、TB-001Aでは3100キログラムとなります。ペイロードもTB-001で1200キログラム、TB-001Aで1500キログラムに向上しています。航続距離は6000キロメートルで、約35時間の飛行が可能です。実用上昇限度はTB-001が8000メートル、TB-001Aは9500メートルと、高高度飛行が可能であることも特徴です。

武装とアビオニクス

TB-001は武装として、250kgのレーザー誘導爆弾や各種ミサイルを搭載するためのハードポイントを持ち、TB-001Aではその数が増え、更なる火力を持つことが可能です。通信能力においても、見通し線での地上司令部との通信距離は280km、衛星通信データリンクとの通信は3000kmまで対応しています。

TB-001は、その多機能性と高い性能を活かし、今後も様々な軍事作戦において重要な役割を果たすことでしょう。

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