サウジアラビア軍

サウジアラビア王国軍の概要

サウジアラビア王国軍（باللغة العربية: القوات المسلحة الملكية العربية السعودية）は、サウジアラビアの国家を守るための正式な軍隊です。この軍は国王の直接的な指揮のもとに置かれ、国防航空省及び統合参謀本部の下に、陸軍、海軍、空軍、防空軍、そして戦略ミサイル軍を運営しています。また、内務省に属する国家警備隊や王室警備連隊なども国防に関与しています。

1992年に決定されたサウジアラビアの統治基本法により、軍の使命は「イスラム教義、二聖モスク、社会と祖国の防衛」に明確に定められています。サウジアラビアは、アメリカと強い同盟関係を持ち、国外にはパキスタンや中華人民共和国との軍事的な協力関係も存在します。

歴史

サウジアラビア軍の起源は1902年に遡ります。この年、アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードがリヤドを奪還するために40名の兵士を集めました。圧倒的に不利な状況にもかかわらず、彼は占領軍指揮官アジュラーン総督を討ち取り、リヤドを奪還しました。その後、イギリスの支援を受け、軍備を整えながら勢力を拡大し、ラシード家やハーシム家との戦争を経て、現在の国土を取得することに成功します。

主要な出来事

• - 1917年： 陸軍の設立。
• - 1925年： 英国の支援により空軍の設立。
• - 1929年： 軍の近代化に着手し、近代的な師団編成を実施。
• - 1934年： ターイフ陸軍士官学校の設立。
• - 1948年： 中東戦争に参加（1973年まで続く）。
• - 1950年： 海軍の設立。
• - 1970年代： アメリカの援助を受け、軍事訓練を米国内で実施。
• - 1981年： 防空軍が陸軍から分離。
• - 1990年： 湾岸戦争に参加。
• - 1992年： サザン・ウォッチ作戦やソマリア内戦における統合任務部隊に参加。
• - 2011年： 軍備の国産化について言及。
• - 2015年： イエメンにおけるフーシによるクーデターに干渉し、空爆を開始。

階級制度

サウジアラビア王国軍は、イギリス式の階級制度を採用しており、以下のような階級が設けられています：

• - トップから順に、元帥、大将、中将、少将、上級大佐、大佐、中佐、少佐、キャプテン、大尉、中尉、少尉、曹長、一等軍曹、二等軍曹、三等軍曹、伍長、上等兵、兵士といった構成になっています。

正規軍と準軍事組織

陸軍

サウジアラビア陸軍は約75,000名の兵士を保持し、中東では数少ないアメリカの同盟国の一つです。湾岸戦争にも参加しました。

海軍

海軍は13,500名で、うち3,000名が海兵隊員です。アメリカからの支援により、最新鋭の装備を導入しています。

空軍

約20,000名の人員を抱える空軍は、アメリカやフランス、イギリスなどから航空機を購入しています。

防空軍

16,000名の人員を持つ防空軍は、高性能なミサイルシステムを多数保有しています。

戦略ミサイル軍

40,000名を超える人員を擁し、中国から導入した弾道ミサイルを保持しています。

国家警備隊

国家警備隊（SANG）は国王直属で、国境警備や国内治安維持の任務に当たっています。湾岸戦争ではそのエリート部隊として正規軍と共に戦闘を行いました。

脚注

サウジアラビア王国軍の活動は、同国の安全保障や地域的なバランスに大きな影響を与えています。今後も、その動向に注目が集まるでしょう。

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