TB-1 (航空機・アメリカ合衆国)

TB-1: アメリカ合衆国の試作雷撃機

TB-1は、アメリカ合衆国で開発された試作雷撃機であり、その開発は1925年に始まりました。当時、グレン・L・マーティン・カンパニーのT3M-1と並行して進行しており、アメリカ合衆国海軍航空局の設計によって製作されました。同年5月にはボーイングに対して3機の製造が発注され、その結果1927年5月4日に初飛行を果たしましたが、同月中に他の機体も開発されていたため、TB-1計画は進行しない運命にありました。

開発の経緯

1925年から始まったTB-1の開発は、厳しい競争の中で行われていました。当時はすでに100機のT3M-2艦上攻撃機が生産され、さらにT4Mの原型機も飛行していました。このような背景の中で、TB-1はボーイングにとって第二次世界大戦前の最後の外部設計機となりました。

製造された機体は番号834から836の3機で、これらには航空局によってシリアルナンバーA7024から7026が付与されました。中でも最初の機体A7024は、XTB-1と呼称されることもあります。

機体の設計

TB-1の構造は、競合するT3Mとは異なり、ジュラルミンの骨組みに布地を張ったデザインでした。主翼は複葉設計であり、翼間支柱1組のシングルベイ式でした。興味深いことに、両翼は胴体側後方の翼間支柱を支点として後方に折りたたむことができ、艦載時の全幅を55フィートから21フィート8インチに縮めることが可能でした。これにより、況としての運用の柔軟性が高められました。

エンジンには、パッカード1A-2500系の3A-2500液冷V型12気筒レシプロエンジンが搭載され、ハミルトン・スタンダードの3翅固定ピッチプロペラが駆動します。また、降着装置としては水上機用のフロートと陸上機用の車輪を選択できましたが、実際には艦上機としての降着装置は装備されていませんでした。

乗員と武装

TB-1の乗員は3名で、前方エンジンの直後にパイロットと爆撃手兼航法士が並列に座ります。機体上面には銃座が設けられており、一定の防御能力を実現しています。武装には、固定式の7.62mm機銃1挺と、機体下部の下翼前方に魚雷1本または1,500ポンド爆弾を搭載することが可能でした。この設計により、TB-1は対抗する敵艦に対して効果的な攻撃を行う能力を持っていました。

主要諸元

TB-1の主な諸元は以下の通りです：

• - 乗員: 3人
• - 全長: 12.98m（42ft7in）
• - 全高: 水上機時4.6m（15ft1in）、陸上機時4.37m（14ft4in）
• - 翼幅: 17m（55ft）
• - 空虚重量: 2,857kg（6,298lb）
• - 運用時重量: 4,780kg（10,537lb）
• - 動力: パッカード3A-2500 液冷V型12気筒（540kW/730hp）1基

性能

TB-1は以下の性能を持っていました：

• - 最大速度: 171km/h（106mph）
• - 航続距離: 1,370km（850mi）
• - 実用上昇限度: 3,580m（11,750ft）
• - 上昇率: 230m（754ft）/min

最終的に、TB-1はその時代における雷撃機の一つとして、アメリカ海軍の航空戦力に寄与する存在となりましたが、その開発経緯は波乱に満ちたものでした。

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