THE BEST / 南沙織 -1978年6月版-

『THE BEST / 南沙織』 (1978年版)

1978年6月21日、CBSソニーより発売された南沙織のベストアルバムです。彼女が同年10月に芸能活動からの引退を表明していたことから、現役期間中に発表された最後のベストセレクションとして、当時のファンにとって特別な意味を持つ一枚となりました。

アルバムの特徴と仕様

本作は、南沙織のデビューから当時の最新シングルに至るまで、幅広い楽曲から選曲された集大成的なベスト盤として企画されました。特典として大型ポスターが封入されていたことも、当時のファンにとって嬉しい要素でした。

CD時代に入ってから、この1978年版『THE BEST / 南沙織』そのものがアルバム単体として直接復刻される機会は現在までありません。しかしながら、ここに収録された楽曲は全て、他のCDアイテムで既にデジタル化されています。例えば、1998年11月21日に発売された『GOLDEN J-POP/THE BEST 南沙織|GOLDEN J-POP_THE BEST 南沙織』など、多くのベストアルバムや企画盤で、このアルバムに収められた名曲群をCDで聴くことが可能です。

収録曲

本作には、合計14曲が収められています。Side Aには当時の比較的新しい楽曲を中心に、Side Bには初期の代表曲が多く配されています。彼女のキャリアを彩る多彩な楽曲が選ばれており、作詞家に有馬三恵子、松本隆、作曲家・編曲家に筒美京平、萩田光雄といった、南沙織サウンドを支えた名だたるクリエイターたちの名前が並びます。

以下に収録曲リストを記載します。

Side A

1. 愛なき世代
作詞: 松本隆、作曲: 木戸一成、編曲: 萩田光雄 (1978年の楽曲)
2. 春の予感‐I've been mellow‐
作詞・作曲・編曲: 尾崎亜美 (1978年の楽曲)
3. 哀しい妖精
作詞: 松本隆、作曲: ジャニス・イアン、編曲: 萩田光雄 (1976年の楽曲)
4. 街角のラブソング
作詞・作曲: つのだひろ、編曲: 萩田光雄 (1977年の楽曲)
5. ゆれる午後
作詞: 有馬三恵子、作曲: 筒美京平、編曲: 萩田光雄 (1977年の楽曲)
6. 木枯しの精
作詞・作曲: 丸山圭子、編曲: 萩田光雄 (1977年の楽曲)
7. 愛はめぐり逢いから
作詞: 岡田冨美子、作曲・編曲: 林哲司 (1976年の楽曲)

Side B

1. 人恋しくて
作詞: 中里綴、作曲: 田山雅充、編曲: 水谷公生 (1975年の楽曲)
2. 色づく街
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1973年の楽曲)
3. 夜霧の街
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1974年の楽曲)
4. 哀愁のページ
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1972年の楽曲)
5. 傷つく世代
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1973年の楽曲)
6. 純潔
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1972年の楽曲)
7. 17才
作詞: 有馬三恵子、作曲・編曲: 筒美京平 (1971年の楽曲)

収録曲は、デビュー曲「17才」から、本作発売当時の最新ヒット曲まで、1971年から1978年にかけて発表された楽曲で構成されており、まさに彼女の第一期活動の軌跡を辿る内容となっています。特に筒美京平氏作曲、有馬三恵子氏作詞による初期の代表作群が多く選ばれている点は、ファンにとって大きな魅力です。

関連情報

本作『THE BEST / 南沙織』は、CBSソニーから複数回にわたり内容やジャケットを変えて発売された同名・同系統のベストアルバムシリーズの一つです。1978年11月版、1979年版などが存在し、それぞれが異なる選曲やコンセプトを持っています。

南沙織のキャリアを語る上で欠かせない作家としては、筒美京平、有馬三恵子、松本隆、萩田光雄といった名前が挙げられますが、本作の収録曲クレジットからも、彼らが彼女の音楽性確立に深く関わっていたことが改めて確認できます。

このアルバムは、南沙織が現役アイドルとしての輝きを放っていた時期の終盤にリリースされた貴重な記録であり、彼女の多様な魅力を凝縮した作品として、今なお多くのファンに愛されています。

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