TOKYO JOE (曲)

TOKYO JOE

「TOKYO JOE」（トウキョウ・ジョー）は、イギリスのロックシンガー、ブライアン・フェリーが1977年に発表した楽曲です。日本では、1997年にフジテレビ系ドラマ『ギフト』の主題歌として使用され、幅広い層に知られるようになりました。

解説

経緯

ブライアン・フェリーは、1976年6月末にロキシー・ミュージックを解散し、ソロ活動に専念し始めました。1977年2月には、4枚目のソロアルバム『イン・ユア・マインド (あなたの心に)』を発表しました。このアルバムは、フェリー自身のオリジナル楽曲のみで構成された初のソロアルバムとなりました。そして、同年5月に同アルバムから2枚目のシングルとして発表されたのが、この「TOKYO JOE」です。このシングルは、フェリーにとって通算11作目のシングルにあたります。

内容

この楽曲は、1933年のハリウッドミュージカル映画『フットライト・パレード』でジェームズ・キャグニーが歌った「上海リル」からインスピレーションを得ています。歌詞は、運命の女性、ファム・ファタールを称賛する内容であり、フェリーの映画に対する深い愛情が表れています。妖艶な魅力を持つ女性を「TOKYO JOE」と表現した歌詞は、聴く者の想像力を掻き立てます。

日本での普及

原曲

1977年にシングルが発売されましたが、当時日本では大きな注目を浴びることはありませんでした。しかし、1997年4月からフジテレビ系「水曜劇場」枠で放送されたテレビドラマ『ギフト』の主題歌として使用されたことで、日本で大ヒットしました。5月8日には東芝EMIから8センチCD仕様でシングルが発売され、オリコン洋楽シングルチャートで2週連続1位を獲得しました。さらに、フェリー自身も『ギフト』第8話にカメオ出演し、話題を呼びました。ドラマの人気と共に、楽曲も広く認知され、多くの人に愛されるようになりました。

渡辺香津美版

1979年には、ジャズギタリストの渡辺香津美が、坂本龍一をプロデューサーに、高橋幸宏をボーカリストに迎えて「TOKYO JOE」をカバーし、シングルとして発表しました。このカバー版は、後に坂本龍一と渡辺香津美名義のコンピレーションアルバム『東京ジョー』（1982年）の冒頭に収録されました。渡辺香津美によるアレンジは、原曲とは異なる魅力を持っており、こちらも多くのファンに支持されています。

トラックリスト

UK盤7インチ・シングル（1977年）

1. TOKYO JOE
2. SHE'S LEAVING HOME

日本盤8センチCDシングル（1997年）

1. TOKYO JOE
2. TOKYO JOE (Instrumental)

パーソネル

ブライアン・フェリー - リード・ボーカル、キーボード
クリス・スペディング - リード・ギター
ポール・トンプソン - ドラムス
ジョン・ウェットン - ベース・ギター
デヴィッド・スキナー - ピアノ、キーボード
アン・オデル - ストリングス・アレンジ


「TOKYO JOE」は、ブライアン・フェリーの音楽的才能と映画への愛が融合した作品であり、時代を超えて多くの人々に愛され続けている名曲です。ドラマ『ギフト』を通じて日本で広く知られるようになったこの曲は、フェリーのキャリアにおいても重要な位置を占めています。また、渡辺香津美によるカバー版も、日本の音楽シーンにおいて特別な存在感を放っています。

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