TOTO XIV〜聖剣の絆〜

概要

2015年に発表されたTOTOのスタジオ・アルバム『TOTO XIV〜聖剣の絆〜』（原題：TOTO XIV）は、彼らにとってオリジナル・スタジオ作品としては12作目にあたります。カバー・アルバムや未発表曲集を含めたバンドの公式作品全体をカウントすると14作目となるため、タイトルにはローマ数字で「XIV」が冠されました。これは、2006年の前作『フォーリング・イン・ビトゥイーン』から約9年ぶり、2010年の活動再開以降に初めて制作されたスタジオ・アルバムです。

作品の特徴

アルバムのアートワークには剣が描かれており、これはオリジナル・アルバムとしては1988年の『ザ・セブンス・ワン〜第7の剣〜』以来の意匠となります。未発表曲集を含めると、1998年の『TOTO XX』以来です。ギタリストのスティーヴ・ルカサーはこの剣のデザインについて、「これこそがTOTOであると伝えるために剣を復活させた」と語っています。さらに、「我々も若くない。このアルバムが我々の人生を反映した内容であることを表現したかった」とその意図を説明しました。

今作は、ボーカリストのジョセフ・ウィリアムズが1989年の脱退以来、バンドに復帰した作品です。また、キーボーディスト兼ボーカリストのスティーヴ・ポーカロは、サポートとして全ての作品に参加していましたが、『ファーレンハイト』以来約30年ぶりに正式メンバーとして復帰しました。さらに、オリジナル・ベーシストのデヴィッド・ハンゲイトも参加しています。彼は『TOTO IV 〜聖なる剣〜』を最後にバンドを離れ、2014年に32年ぶりに復帰しましたが、今作では全ての楽曲ではなく4曲のレコーディングに参加しています。本作のベースギターは特定の固定メンバーがおらず、楽曲によって演奏者が異なり、スティーヴ・ルカサーが担当したパートも存在します。

長年バンドを支えてきたドラマーのサイモン・フィリップスは、1992年から解散、そして再結成に至るまで20年以上TOTOに在籍していましたが、2014年 1月に自身の活動に専念するためにバンドを脱退しました。本作では、スティーリー・ダンなどでのプレイで知られるキース・カーロックが新たにドラマーとして加入しています。

制作の背景

TOTOは2006年に『フォーリング・イン・ビトゥイーン』をリリースした後、ベーシストのマイク・ポーカロが筋萎縮性側索硬化症（ALS）を発症し、闘病のためツアーから離脱しました。これに伴い、バンドは2008年に一度解散しています。しかし、マイクの病状が進行する中で、彼の治療費や難病研究への寄付を目的とした支援活動として、2010年にTOTOは当初期間限定という形で再結成し、ワールドツアーを行いました。

この再結成は当初の予定を超えて継続され、バンドは2013年から2014年にかけて結成35周年を記念するツアーを敢行しました。このツアーの模様はライブ作品『TOTO 35周年アニヴァーサリー・ツアー〜ライヴ・イン・ポーランド 2013』としてCDおよび映像ソフトでリリースされ、同時に新作を制作中であることも明らかにされました。

しかし、実はバンド側は当初、新たなスタジオ・オリジナル・アルバムを制作する意図はなかったとされています。35周年ライブ作品をリリースする際に、マネージャーがレーベルとの間でオリジナル作品制作の契約を結んでいたことが後から判明し、「それならば最高の作品を作ろう」という運びとなって、2014年から本作の制作が開始されました。

アルバムが発売される数日前の2015年 3月15日、本作の制作に深く関わるきっかけとなったマイク・ポーカロがALSのため逝去しました。

参加ミュージシャン

TOTO

ジョセフ・ウィリアムズ - ボーカル
[スティーヴ・ルカサー]] - ボーカル、ギター、ベース[[ギター]
デヴィッド・ペイチ - ボーカル、キーボード
スティーヴ・ポーカロ - ボーカル、キーボード
キース・カーロック - ドラムス

ゲスト・ミュージシャン

[デヴィッド・ハンゲイト]] - ベース[[ギター]
タル・ウィルケンフェルド - ベース[ギター]
[リーランド・スカラー]] - ベース[[ギター]
ティム・ルフェーヴル - ベース[ギター]
レニー・カストロ - パーカッション
マーティン・ティルマン - チェロ
C.J.ヴァンストン - プロデュース、シンセサイザー
マイケル・マクドナルド - バッキング・ボーカル
エイミー・キーズ - バッキング・ボーカル
マヴート・カーペンター - バッキング・ボーカル
ジェイミー・サヴコ - バッキング・ボーカル
エマ・ウィリアムズ - バッキング・ボーカル
トム・スコット - サクソフォーン、サクソフォーン/管楽器アレンジ

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