The Firm (イギリスのロックバンド)

ザ・ファーム (The Firm)

ザ・ファームは、1984年に結成されたイングランド出身のロックバンドです。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、バッド・カンパニーのポール・ロジャースという、70年代にそれぞれ大成功を収めたバンドの中心的メンバーが合流したスーパーグループとして、大きな注目を集めました。

結成の経緯

ポール・ロジャースがソロアルバム『カット・ルース』（1983年）を制作していた際、ジミー・ペイジがスタジオを訪れたことがきっかけで、二人は共同で楽曲制作を開始しました。1983年末には、「A.R.M.Sコンサート」のアメリカ公演で共演。共にスワンソング・レコードに所属していたこともあり、バンド結成へと動き出します。

ドラマーには、マンフレッド・マンズ・アース・バンドやユーライア・ヒープで活動していたクリス・スレイドが加入。クリスによれば、ジミーから誘いを受ける直前にデヴィッド・ギルモアからツアーメンバーへの勧誘を受けていたものの、デヴィッドのツアー終了を待ってもらえたとのことです。ベーシストは当初ピノ・パラディーノが候補に挙がっていましたが、最終的にはロイ・ハーパーのバンドでジミーと共演経験のあるトニー・フランクリンが加入しました。バンド名はクリス・スレイドのアイデアによるものです。

音楽性と評価

ザ・ファームの音楽性は、ジミー・ペイジが過去に率いたレッド・ツェッペリンのようなハードロックというよりも、よりシンプルでブルージーなロックンロールが特徴です。ポール・ロジャースのボーカルが前面に出た楽曲が多く、彼の個性が色濃く反映されています。

1985年にリリースされたデビューアルバム『ザ・ファーム』からは、シングル「Radioactive」が全米28位を記録。アルバム自体も全米17位に入るヒットとなりました。ヨーロッパとアメリカで行われたコンサートも好評を博し、FM放送もされるなど、大きな成功を収めました。特にトニー・フランクリンのフレットレスベースは、その独特なサウンドで注目を集めました。

解散とその後

1986年にはセカンドアルバム『ミーン・ビジネス』を発表し、全米22位を記録。しかし、このアルバムを最後に全米ツアーを行い、ザ・ファームは解散しました。メンバーはそれぞれソロ活動に戻り、ジミー・ペイジとポール・ロジャースはソロアーティストとして活動。トニー・フランクリンは元ホワイトスネイクのジョン・サイクスと共にブルー・マーダーを結成し、クリス・スレイドはAC/DC|AC_DCに加入しました。

メンバー

ポール・ロジャース (Paul Rodgers) - ボーカル
ジミー・ペイジ (Jimmy Page) - ギター
トニー・フランクリン (Tony Franklin) - ベース
クリス・スレイド (Chris Slade) - ドラムス

ディスコグラフィ

アルバム

『ザ・ファーム』 - The Firm （1985年） ※全米17位、全英15位
『ミーン・ビジネス』 - Mean Business （1986年） ※全米22位、全英46位

シングル

"Radioactive" （1985年） ※#28 US
"Satisfaction Guaranteed" （1985年） ※#73 US
"All the King's Horses" （1986年） ※#61 US
"Live in Peace" （1986年）

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