U-125 (航空機)

U-125およびU-125Aの概要

U-125は、航空自衛隊において運用されている双発ジェット機で、飛行点検機と救難捜索機の2つのモデルが存在します。これらの機体は、日本の航空業界で重要な役割を果たしており、特に飛行安全や救難活動に貢献しています。

母機について

U-125の設計の基盤は、英国デ・ハビランド社によって開発されたビジネスジェット機、DH.125にあります。この機体は、その後ホーカー・シドレーのHS.125、BAeのBAe 125、レイセオン社を経て、現在ではホーカー・ビーチクラフト社がホーカー 800として製造している長寿命の航空機です。1962年に初飛行し、40年以上にわたって数多くの改良が施され、今もなお生産が続いているベストセラー機です。航空自衛隊では、BAeが生産していた当時のBAe125-800型を基に採用しました。

U-125の役割

U-125は主に航空自衛隊の飛行点検機であり、自動飛行点検装置を搭載して、航空航法機器の点検に特化しています。入間基地に配備されているこの機体は、白と赤を基調とした塗装が施されています。1990年度からMU-2Jに代わって3機が新たに調達され、高高度での飛行点検が可能になりました。

2016年4月6日、1機が電波航法設備の点検中に行方不明となり、翌日には鹿屋航空基地近くで墜落した残骸が発見され、乗員6名の全員が亡くなるという悲劇がありました。事故の原因は、パイロットエラーと悪天候によるものとされています。そのため、損耗機の代替としてサイテーション680Aが選定されました。

U-125Aの特徴

U-125Aは救難捜索機として活動しており、1994年から航空救難団に配備が始まりました。日本独自の救難思想に基づき、機体内には専用の救難具設置工事が施され、物資投下システムや救援用の発炎筒の投下口が設けられています。また、捜索能力を向上させるために、大型捜索窓や捜索用レーダー、赤外線暗視装置を搭載しています。

U-125Aの進化した航法システムには、自動操縦装置、高度な航法機器が搭載され、捜索パターンの作成と目標追跡が可能です。外見上は、胴体下面のくぼみや大きな窓の存在、そして視認性を高める青色塗装が施されています。音速性能を生かして迅速な現場到達ができるようになり、洋上での捜索能力が向上しましたが、山岳部での捜索には限界があるとも指摘されています。

将来の見通し

防衛省では、予算の効率化を図るため、将来的にU-125Aの廃止を予定しており、ヘリコプターを中心とした運用にシフトする方針が示されています。これは、2022年12月の政府の防衛力整備計画にも明記されました。

スペック

• - 全幅：15.66m
• - 全高：5.37m
• - 全長：15.59m
• - 重量：7,350kg
• - 最高速度：980km/h（M0.80）
• - 航続距離：4,890km
• - 実用上昇限度：43,000ft
• - 最大離陸重量：12,750kg
• - 製造：ホーカー・ビーチクラフト
• - 乗員：7名

配備部隊

• - U-125：入間基地の飛行点検隊
• - U-125A：各地の救難隊（千歳、松島、秋田など）

U-125およびU-125Aは、今後も日本の航空自衛隊における重要な一翼を担っていくことでしょう。

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