U219 (潜水艦)

潜水艦 U219の歴史

U219はドイツ海軍の潜水艦（Uボート）であり、XB型に分類されます。第二次世界大戦中にドイツが降伏した後、日本の海軍によって接収され、伊号第五百五潜水艦として艦籍に登録されました。しかし、戦果を挙げることなく終戦を迎えた艦でもあります。

艦歴

U219の製造は、1941年5月31日にキールのクルップ社ゲルマニア造船所で始まりました。進水式は1942年10月6日に行われ、同年12月12日に正式に就役しました。艦長にはWalter Burghagenが任命され、その指揮のもとで運用が行われました。

1回目の哨戒

U219は1943年10月22日に機雷を敷設するため、ノルウェーのベルゲンを出港しました。その際には、北大西洋で他の艦艇との連携を図りつつ、燃料を供給する行動も行いましたが、1944年1月1日にはフランスのボルドーに戻りました。最初の哨戒任務はこれといった戦果を得ることなく終了しました。

2回目の哨戒

同年8月23日、U219はモンスーン戦隊と呼ばれる第33潜水隊群に加わるため、ボルドーを再度出発しました。この任務中、9月28日にはアヴェンジャー雷撃機を撃墜する戦果を挙げました。しかし、最終的には1943年12月28日にジャカルタに到着し、さらなる任務を続けることなく戦争を迎えることになりました。

日本による接収

ナチス・ドイツが連合国に降伏した結果、U219は1945年5月6日に日本海軍に接収され、7月15日には伊号第五百五潜水艦として艦籍に登録されました。この時点で艦隊は呉鎮守府に所属し、第二南遣艦隊に付属しました。しかしながら、日本側の潜水艦要員の不足により、艦長を含む日本人乗員が配置されることはありませんでした。そのため、運用はドイツ海軍の兵士たちに委ねられました。

U219は日本海軍に接収された折、戦争末期であったため活躍の機会はほとんどなく、ジャカルタで終戦を迎えました。艦は戦争が終結した後の1945年11月30日に除籍され、翌年の1946年2月3日には南緯06度31分、東経104度54分のスンダ海峡南方で、オランダの駆逐艦の砲撃により海没処分という運命をたどりました。

結論

U219の短い艦歴は、戦時の不運さや、国際情勢の変化に翻弄された一艦の歴史を物語っています。ドイツ海軍としての活動は限られていましたが、その後に日本海軍に接収されることになった背景からも、戦争の影響の広がりを感じることができます。

もう一度検索