UAEディルハム

ディルハム (درهم) について

ディルハムは、アラブ首長国連邦（UAE）の公式通貨であり、1973年から使用されています。通貨コードはAEDで、記号はد.إです。また、非公式な略称としてDHやDhsも用いられます。ディルハムは100分の1の補助単位であるフィルス（فلس）で構成されています。

歴史

ディルハムの導入以前は、1966年まで湾岸ルピーが使用されていました。その後、1966年から1973年の間、カタール・ドバイ・リヤルが流通していました。この期間中、短期間ですがサウジアラビア・リヤルも使われました。1973年にディルハムが通貨として正式に採用され、当初はカタール・ドバイ・リヤルと1対1の平価で、アブダビで用いられていたバーレーン・ディナールとは0.1対1の平価とされました。

設立当初、ディルハムは国際通貨基金（IMF）の特別引出権と関連付けられましたが、実際にはアメリカドルとほぼ同じく動いていきました。1997年以降は、1ドルを3.6725ディルハムとしてペッグしています。このレートは、ディルハムの国際的な価値を安定させる役目を果たしています。

硬貨

ディルハムの硬貨は1973年に1、5、10、25、50フィルスと1ディルハムのコインが導入されました。1995年には50フィルスと1ディルハム硬貨のサイズが変更され、50フィルス硬貨は七角形のデザインにリニューアルされました。全ての硬貨にはインド数字が使われ、文字部分はアラビア語が刻まれています。1、5、10フィルスの硬貨はあまり使用されず、多くの場合25フィルスに切り上げまたは切り捨てられます。

2006年には、フィリピンの1ペソ硬貨と1ディルハム硬貨のサイズが同じであることが報じられ、詐欺問題が発生しました。これは、ディルハム硬貨の流通において注意を要する事例となりました。

紙幣

ディルハムの紙幣は1973年に初めて導入され、1、5、10、50、100、1000ディルハムの紙幣が発行されました。1982年には1と1000ディルハム紙幣が省かれ、新たに500ディルハム紙幣が1983年に加わりました。さらに、1989年に200ディルハム紙幣が導入され、2000年には再び1000ディルハム紙幣が流通を開始しました。

現在、流通している紙幣は5、10、20、50、100、200、500、1000ディルハムの8種類です。特に200ディルハムは1989年に造幣された後、長い間市場に出回らなかったものの、2008年には新しいデザインが導入され、流通が始まりました。この新しい紙幣には偽造防止技術が施されており、色合いも従来の緑・茶色から黄色・茶色に変更されています。

結論

ディルハムはアラブ首長国連邦の経済において重要な役割を果たしており、硬貨と紙幣の種類も多様です。通貨の背景や歴史を知ることで、その価値や役割をより深く理解することができます。

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