UBE (企業)

UBE株式会社の概要

企業情報

UBE株式会社（ユービーイー）は、日本に本社を置く大手総合化学メーカーである。世界的にナイロン原料の主要な供給者として知られ、日経平均株価の構成銘柄でもある。旧社名は宇部興産株式会社であり、2022年に社名変更された。宇部に本社を置き、その地域では「興産」と呼ばれていることもある。企業のブランドスローガンは「Transform Tomorrow Today」で、新たな未来への挑戦を示している。

会社の歴史と起源

UBEのルーツは、1897年に設立された沖ノ山炭鉱にさかのぼる。企業は炭鉱からの出発点で、現在では化学製品、セメント、石炭に至る広範な事業を展開している。旧社名の「興産」は、「地域社会に有用な産業を次々に興す」という意味が込められており、地域の社会資本の発展にも寄与してきた。

企業は過去に三和銀行グループの主要取引先企業の一つであり、三和御三家としても知られていた。また、実際の取引先としても重要な役割を果たしたため、山口県内には三菱UFJ銀行の支店が唯一存在している。

組織と経営

2022年の社名変更を経て、UBEは化学事業を核として新たなスタートを切った。この変更に伴い、エネルギー・建設資材（セメント）事業は三菱マテリアルと統合され、UBE三菱セメントが新設された。機械事業はすでに分社化されているため、新生UBE株式会社は化学事業に特化した形で展開が進められている。経営機構は執行役員制を採用しており、意思決定機関と業務執行機能の分離が図られている。

事業内容

UBEは、機能品事業部、パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業部、エラストマー事業部、医薬事業部を持つ。化学事業としては、ナイロン、合成ゴム、ポリエチレンなどが主体である。医薬事業では医薬品の原料や中間体の製造も行い、実績としてはAzelnidipine、Prasugrel、Bepotastineなどの薬剤がある。

機械事業は、分社したUBEマシナリーが顧客向けの産業機械や重機を製造・販売しており、橋梁の建設も行っている。なお、エネルギー・環境事業はUBE三菱セメントへと移管されている。この取り組みは社内全体に大きな変化をもたらし、UBEの売上の約半分が切り離されることとなった。

社会貢献

UBEは、地域の公共施設や教育機関の整備に取り組むなど、社会貢献にも注力している。宇部港、宇部興産中央病院、厚東川ダムなど、多くのインフラがこの企業の活動によって展開されてきた。

産業観光

また、UBEは宇部地区の産業観光にも力を入れており、企業専用道や石炭貯蔵施設が地元学校の社会科見学の対象となっている。これにより地域の産業理解を深める取り組みが継続され、2007年には「UBE i-Plaza」が開設されて多様な施設見学が行えるようになった。ユニークなキャラクター「UBE DOG」も企業プロモーションに活用され、地域の特色や企業文化の一環として位置づけられている。

結論

UBE株式会社は、長い歴史と実績を基盤に、化学と機械の2分野での事業展開を特徴としつつ、新たな挑戦も続けている企業である。その地域社会への貢献とともに、成長を目指す姿勢は多くの支持を集めている。今後も革新性を持ちながら、地域経済の発展に寄与することが期待されている。

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