UGS NX

NX（エヌエックス）は、シーメンスPLMソフトウェアが開発した、Windows向けのハイエンド3次元CAD/CAM/CAE統合ソフトウェアです。かつてはmacOSやUNIX、Linux版も提供されていましたが、現在はWindows版のみとなっています。

概要

NXは、かつてNX Unigraphics、さらに遡るとUGなどと呼ばれていたソフトウェアパッケージです。開発元の名称は、買収によりUnigraphics、EDS、そして2007年以降はシーメンスPLMソフトウェアへと変遷しました。

2001年、当時4大ハイエンドCADと呼ばれたCATIA V4、I-deas、Pro/ENGINEER、Unigraphicsのうち、Unigraphicsの開発元である米Unigraphics Solutions社（現シーメンスPLMソフトウェア）が、I-deasの開発元である米SDRC社を買収したことを機に、両者を統合したのがNXの始まりです。

ハイエンド3次元CAD同士の統合版ということもあり、その構成パッケージは非常に多岐にわたります。統合はUnigraphicsをベースに、特にI-deasが強みを持っていたCAE機能をUnigraphics側に実装する形で進められました。

工業デザイン（CAID）から設計（CAD）、解析（CAE）、製造（CAM）、さらには検査（CMM）まで、製品開発エンジニアリングの全工程をカバーしているのが特徴で、各機能間でのデータ交換が不要な統合システムとなっています。

カーネルには同社開発のParasolidを使用しており、履歴ベースのCADでありながら、履歴を必要とせずに形状変更が可能なダイレクトモデリング（シンクロナスモデリング）機能を搭載しています。これにより、設計・モデリングの自由度が非常に高くなっています。また、3次元ビューアとの統合により、従来のCADの枠を超えた大規模アセンブリ機能も備えています。

バージョンアップは、Unigraphics V18から始まり、Unigraphics/NX、Unigraphics/NX 2、NX 3、NX12、NX1847と続き、最新バージョンはNX 2212となっています。NX 6からは、Solid Edge STと同様に、履歴を持たないソリッドデータを編集できるシンクロナステクノロジーが導入されました。

拡張子は.prtで、カーネルがParasolidであるため、.x_tや.x_bとの高い互換性を持っています。

機能（CAD）

NXは履歴ベースのCADであり、スケッチ機能はその代表例です。スケッチで描いた線をベースにモデリングを行い、寸法変更が必要になった場合には、スケッチを編集することで、全ての操作を遡って編集することができます。また、点、線、サーフェス、ソリッドなどのパラメータを削除することも可能です。

シンクロナスモデリングによって編集した履歴も保持され、必要に応じてその時点まで遡って編集できます。

ブーリアン演算は非常に柔軟で、サーフェス同士でサーフェスを分割したり、ソリッドをサーフェスで分割することも容易です。特に曲面での分割がスムーズに行えます。

OpenGLを用いたハードウェアアクセラレーション機能を利用するには、AMDまたはNVIDIAの法人向けGPUを搭載したグラフィックスカードが必要です。推奨品以外のGPUを使用すると、ソフトウェアレンダリングに切り替わり、パフォーマンスが大幅に低下する可能性があります。

機能（CAM）

（詳細については省略）

機能（CAE）

（詳細については省略）

機能（その他）

（詳細については省略）

主な採用メーカー

NXは、自動車、航空宇宙、家電など、幅広い産業で採用されています。主な採用メーカーには、ゼネラルモーターズ（GM）、日産自動車、いすゞ自動車、クライスラー、スズキ、マツダ、ダイムラー・ベンツ、フィアット、アストンマーティン、ロールス・ロイス、デンソー、ゼネラル・エレクトリック（GE）、Apple、キヤノン、パナソニック、ダイソン、ボーイング、キャロウェイゴルフ、テーラーメイドなどが挙げられます。

日本国内の販売代理店

（情報については省略）

外部リンク

シーメンス PLM ソフトウェア JP株式会社
www.SiemensNX.com

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