Unity (ユーザインタフェース)

Unityとは

Unityは、Ubuntuで開発されたデスクトップ環境及びグラフィカルシェル、ユーザーインターフェースです。当初は、ネットブックなどの画面サイズが限定された環境でもスペースを有効に利用できるように設計されました。縦に配置されたランチャーと呼ばれるアプリケーションスイッチャーなどのインターフェースが特徴です。Ubuntu 11.04で従来のGNOMEベースの環境から切り替えることができるようになり、Ubuntu 11.10から本格的に採用されました。

概要

デスクトップの左端には「アプリケーション」のサイドバー (Dock) が配置され、従来のGNOMEパネルの下部パネルは取り外されました。上部パネルの通知領域は残され、左端にあった「アプリケーション」「場所」「システム」の項目はUbuntuのロゴ (Dash) に置き換えられました。このDashをクリックすると、インストール済みまたはインストール可能なアプリケーションを検索できます。

Unity 8は、デスクトップだけでなく、スマートフォンやタブレットのような小型・高解像度デバイスへの対応を目指していました。しかし、2017年4月5日、CanonicalはUnity 8の開発を打ち切り、Ubuntu 18.04 LTSではGNOMEに戻すと発表しました。実際には、Ubuntu 17.10からGNOMEがデフォルトになりました。Unity 8は、yunitという名称でフォークされました。

その後、Ubuntu 22.10以降、UnityはUbuntu Unityという名前で公式フレーバーとして復活しています。

Unity 2D

Unity 2Dは、CompizのプラグインであるUnityとは異なり、独立したアプリケーションとして動作します。Qtフレームワークを用いて作成されており、初期状態ではMetacityで動作しますが、CompizやKWinなどのウィンドウマネージャ上でも動作します。Ubuntu 11.04では追加可能なパッケージとして提供されていましたが、11.10からは11.04のGNOMEクラシックに代わり、Unity 3Dが動作しないハードウェア環境向けのデフォルトとして提供されました。12.10ではOpenGLを使用せずにUnity 3Dを動作させられるようになったため、Unity 2Dは廃止されました。

ユーザーインターフェース

Unityは、以下のような独自のユーザーインターフェース要素を持っています。

Launcher: アプリケーションを起動するためのサイドバー。
Quicklist: ランチャーアイコンの右クリックで表示されるメニュー。
Dash: アプリケーションやファイルを検索するためのインターフェース。
Head-Up Display (HUD): メニュー項目をキーボードで検索できるインターフェース。
Global menubar: アプリケーションのメニューを画面上部に統合表示する機能。
Overlay Scrollbar: スクロールバーを必要な時だけ表示する機能。
Indicators: システムの状態を表示するアイコン。

ツールキット

Unityのインターフェースを構成するボタンやテキストボックスなどの部品には、Nuxと呼ばれるツールキットが用いられています。NuxはGTKやQtといった他のツールキットとは異なり、Unityでの動作を主目的として開発されており、レンダリングにOpenGLを利用しています。

動作要件

Unityは、3Dアクセラレーションが動作するグラフィックハードウェアとドライバが必要です。条件を満たしていない場合は、LLVMpipeというOpenGLのソフトウェア実装が使用されます。また、Ubuntu 12.04まではUnity 2Dという互換ソフトウェアが実行されました。

利用

UnityとAyatanaプロジェクトのサポートは主にUbuntu向けに開発が行われ、最新バージョンはUbuntuに最初に提供されます。Ubuntu以外のLinuxディストリビューターは、Ayatanaに変更を加えることで取り込みを試みています。Ayatanaの構成はアプリケーションの調整が必要であり、他のディストリビューションで採用するとより複雑になる場合があります。

各ディストリビューションでの利用状況

Arch Linux: UnityとUnity2Dを含む多くのAyatanaコンポーネントを提供しています。2011年7月の段階ではUnity2Dのみ最新バージョンで使用可能でした。
Fedora: UnityにGTKの非サポートパッチの適用が必要なため、デフォルトのリポジトリでは提供されていませんが、パッチが適用されているopenSUSEのリポジトリのブランチを使用することでUnityをインストールできます。
Frugalware Linux: 今後の開発ブランチの一部として、UnityとUnity2Dを含むAyatanaを採用しています。
OpenSUSE: GNOME用の多くのAyatanaコンポーネントを提供していますが、Unityの提供はCompizが主な問題として保留されていました。その後、新しい開発者がArch LinuxとFedora用のバージョンと共にそのタスクを引き継ぎました。

批判

複数のオンラインニュースメディアは、DistroWatchのサイト内ページ訪問者数ランキングにおいて、Linux MintのページがUbuntuのページを抜いて1位になった原因は、Unityに否定的なユーザーがMintに流れたためだと報じています。また、このランキングのみを根拠にOSシェアが低下したという報道もされていますが、これには実際の根拠は伴っていないとされています。

関連項目

Ubuntu
Ubuntu Unity
GNOME
KDE
Xfce
LXDE

脚注

外部リンク

Unityを使うには

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