VHS (アサルトライフル)

VHS アサルトライフル

VHSは、クロアチアのHSプロダクト社が開発したブルパップ式アサルトライフルです。設計はマルコ・ヴコヴィッチ氏が担当しました。2012年までにクロアチア軍の主力小銃であるツァスタバM70を置き換える目的で開発が進められました。

特徴

使用弾薬: 5.56x45mm NATO弾
作動方式: ショートストロークピストン式
バリエーション:
VHS-D: スタンダードモデル
VHS-K: 銃身を短縮し、着剣機構とライフルグレネード発射機構を省略したモデル

開発経緯

2005年から開発が始まり、初期の試作品はIMI タボールAR21のレシーバーと後方フレームに、H&K G36のハンドガードとキャリングハンドルを組み合わせたような外観でした。しかし、2008年12月に発表されたモデルでは、フランス軍のFA-MAS F1に類似した形状となり、クロアチア軍の制式ライフルとして採用されました。

フレームは軽量なポリマー製で、射撃時の反動が軽減されています。ハンドガード前方にはマウントレールを取り付けるためのネジ穴があり、各種アクセサリーの装着が可能です。クロアチア軍に配備されたモデルは、G36と互換性のある弾倉規格を採用しており、キャリングハンドルもレール付きのものに変更されています。照準器は、G36のスコープやドットサイトに似たものがキャリングハンドル後端に取り付けられます。

VHS-2

2013年には、発展型であるVHS-2が発表されました。このモデルでは、セレクターとボルトストップが左右兼用となり、操作性が向上しています。また、レシーバー左側に追加された排出口により、排莢方向の変更が可能になりました。ガスレギュレーターや、前後長が可変のストックも追加され、ブルパップ式アサルトライフルとしては珍しい設計となっています。キャリングハンドルは、レール付きと照準器内蔵型の2種類が用意されており、クロアチア軍は主にレール付きのキャリングハンドルを使用しています。

クロアチア軍の装備更新

クロアチア軍は、1990年代から特殊部隊や海外派遣部隊にG36を供給していました。これはNATO加盟国との連携を強化するためであり、ツァスタバM70の更新（初期のVHSも新型のVHS-2に置き換えられる予定）も同様の理由によるものです。クロアチア軍は既にVHSを制式採用し、各部隊への配備を進めています。最終的には、2012年までに6万丁が製造される計画が立てられています。

民間向けモデル「ヘリオン」

アメリカのスプリングフィールド・アーモリーからは、VHS-2の民間向けバージョンである「ヘリオン」がリリースされています。

採用状況

クロアチア: クロアチア軍がツァスタバM70を代替する標準装備として運用。警察でも使用。
アルバニア: アルバニア警察が使用。
ボスニア・ヘルツェゴビナ: ボスニア連邦特別警察がVHS-K2を使用。
イラク: イラク連邦警察、イラク地上部隊、緊急時対応部隊を含む特殊部隊で運用。
シリア
トーゴ: トーゴ軍が平和維持活動のために約3000丁のVHS-2を導入。

登場作品

ゲーム:
PAYDAY 2
DLC「Dragan Character Pack」で「Lion's Roar」としてVHS-2が登場。実銃よりも発射速度が速い。

関連項目

アサルトライフル
自動小銃
H&K G36

外部リンク

HSプロダクト
Agencija Alan
Modern Firearms（英語）

もう一度検索