VMware Fusion

VMware Fusionとは

VMware Fusionは、Broadcom（旧VMware）が開発・提供しているmacOS向けのソフトウェアハイパーバイザーです。このソフトウェアを利用することで、macOS上で様々なオペレーティングシステム（OS）を仮想マシンとして実行できます。例えば、WindowsやLinux、さらには過去のmacOSバージョンを同時に起動することが可能です。

仮想化技術の活用

VMware Fusionは、Intel Macに搭載されているハードウェア仮想化技術と準仮想化技術を組み合わせています。これにより、複数のOSを同時に、かつ高いパフォーマンスで実行することが可能になります。特に、Intel Coreマイクロアーキテクチャプラットフォームに搭載されているIntel VT技術を活用することで、効率的な仮想化を実現しています。

幅広いOSへの対応

VMware Fusionは、数百種類ものOSに対応しており、ユーザーは必要なOSを自由に選択して利用できます。特に、古いmacOSバージョンを実行できる機能は、過去の32ビットアプリケーションやRosetta（PowerPC）アプリケーションを最新のmacOS環境で利用したい場合に非常に便利です。

VMware Workstationとの関係

VMware Fusionの基盤となる技術は、VMware Workstationをはじめとする他のVMware製品と共通しています。このため、64ビットOSやSMP（対称型マルチプロセッシング）などの高度な機能も利用可能です。

個人利用の無償化

2024年5月13日（日本時間5月14日）にリリースされたバージョン13.5.2から、従来のFusion Pro Playerが廃止され、Fusion Proに統合されました。これに伴い、個人ユーザーは非商用利用であれば、Fusion Proを無償で利用できるようになりました。これは、WindowsやLinux向けのVMware Workstation Proと同様のライセンス体系です。

システム要件

VMware Fusionを利用するためには、以下のシステム要件を満たす必要があります。

対応機種: 2012年以降に発売されたMacのほとんどの機種、または2011年以降のMac（VMware Fusion 11の場合）。それ以前のx86-64対応Intel MacはVMware Fusion 8が対応します。
RAM: 4GB以上（推奨）
ディスク容量: 750MBの空き容量に加え、仮想マシンごとに5GB以上の空き容量（10GB以上を推奨）
対応OS:
VMware Fusion 12.2: macOS Big Sur以降
VMware Fusion 12: macOS Catalina以降
VMware Fusion 11: OS X El Capitan以降
VMware Fusion 8: OS X Mavericks以降
その他: 仮想マシン用のOSインストールメディアが必要。NVIDIA GeForce 8600MまたはAMD Radeon HD 2600以上を搭載した環境では、Windows Aeroをサポート。

主な機能

様々なオペレーティングシステムの仮想化実行
古いmacOSバージョンやアプリケーションの実行
ハードウェア仮想化技術による高いパフォーマンス
スナップショット機能による状態の保存と復元
仮想ネットワーク機能による仮想マシン間の連携

まとめ

VMware Fusionは、macOSユーザーにとって非常に便利な仮想化ソフトウェアです。異なるOSを同時に利用したい場合や、古いアプリケーションを最新環境で利用したい場合に最適なツールです。個人利用が無償化されたことで、さらに多くのユーザーが手軽に利用できるようになりました。仮想環境での開発やテスト、特定のOSに依存するソフトウェアの利用など、幅広い用途で活用できます。

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