Intel Mac(インテル・マック)とは
Intel Macとは、
Appleがかつて開発・販売していた、Intel製の
CPUを搭載したMacintosh製品群の総称です。これは、それまでMacに搭載されていた
PowerPCプロセッサの後継として導入されました。
2006年から2020年まで、Macの主要なアーキテクチャとして、その進化を支えました。
Intel Macへの移行の経緯
2005年の
Worldwide Developers Conferenceで、
Appleは将来的にIntel製
CPUを採用することを発表しました。翌
2006年1月10日には、
Intel Coreプロセッサを搭載した
MacBook Pro(
PowerBookの後継)とiMacが発表され、Intel Mac時代が幕を開けました。
Mac OS X v10.4 TigerからIntel Macに対応し、v10.6 Snow LeopardからはIntel Mac専用のOSとなりました。この移行は、より高性能なプロセッサへのニーズの高まりと、
PowerPCアーキテクチャの限界が背景にありました。
Intel Macの主な機能
Boot Camp
Boot Campは、Intel Macで他のOS(主にWindows)をネイティブに動作させることを可能にする機能です。当初はWindows XPへの対応が課題でしたが、
AppleのFirmware UpdateとBoot Campベータ版の提供により、Intel Mac上でWindows XP Service Pack 2を動作させることが可能になりました。Boot CampはMac OS X v10.5 Leopardで正式に採用され、2015年のBoot Camp 6.0以降はWindows 10(64bit)のみがサポートされています。
この機能により、ユーザーはMacのハードウェア上で、macOSだけでなく、必要に応じてWindowsなどの他のOSも利用できるようになりました。
Appleは他社製OSを意図的に排除していませんが、macOSを他社製ハードウェアで起動することはライセンス違反とされています。また、UEFIに対応した
LinuxなどのOSも起動が確認されており、仮想環境だけでなく、ハードウェアを直接利用できるBoot Campは、当時注目を集めました。
Intel Macに搭載された主なCPU
Intel Macの初代
CPUとして
2006年1月6日に発表されました。
Pentium Mの後継にあたり、32ビットのプロセッサです。
2006年7月27日に発表されたIntel Macの第2世代
CPU。
Intel Core Duoの後継で、64ビットに対応し、前世代よりも高速化されました。ノート型Macには、Tシリーズ(T8100, T8300, T9300など)が搭載されていました。2007年8月時点では、デスクトップモデル(iMac、
Mac mini)にもモバイル向けのTシリーズが搭載されていました。デスクトップモデルの
CPUは、ソケットから取り外しが可能だったため、Core DuoからCore 2 Duoへのアップグレードが一部で試みられていました(保証対象外)。
2009年10月22日発表のiMac 27インチモデルの上位機種に、Core i5(2.66GHz)が搭載され、
BTOオプションでCore i7(2.8GHz)が選択可能になりました。これは、コンシューマー向けモデルとして唯一のクアッドコアで、Nehalemアーキテクチャを採用したIntel Macでした。
2006年8月以降、Woodcrest世代の
Xeonプロセッサが、2008年1月以降にはHarpertown世代、
2009年以降にはNehalem-WS及びNehalem-EP世代が、
Mac Pro、i
Mac Pro、
Xserveに採用されました。
Intel Macの製品群
Intel Macとして販売された主な製品は以下の通りです。
iMac
Mac mini
MacBook
MacBook Air
MacBook Pro
Mac Pro
Xserve
関連事項
macOS
*
Appleシリコン(Intel Macの後継として登場した
Apple製のプロセッサ)
まとめ
Intel Macは、
Appleが
PowerPCアーキテクチャからIntel x86アーキテクチャへの移行を実現した、重要な製品群です。Boot CampによるOSの選択肢の拡大、プロセッサの進化、そして多様な製品群の展開を通じて、Macの進化に大きく貢献しました。2020年以降は
Appleシリコンへの移行が進みましたが、Intel Macの時代はMacの歴史において重要な位置を占めています。