W11H

W11H：au初のCDMA 1X WIN対応端末

W11Hは、日立製作所が開発し、KDDI（au）ブランドから発売された携帯電話です。この端末は、KDDI初のCDMA 1X WIN対応端末であり、当時としては実験的な意味合いも強い製品でした。

革新的な通信技術とサービス

W11Hの最大の特徴は、当時最新の通信方式であったCDMA2000 1x EV-DO Rel（Rev）.0を採用したことです。これにより、日本初の3.5G対応サービスが実現し、通信コストの削減に大きく貢献しました。この技術革新により、携帯電話初のパケット定額サービス「EZフラット」（現在のダブル定額）が導入され、「パケ死」という言葉まで生まれた高額なパケット通信料金問題に終止符を打ちました。通信速度も大幅に向上し、EZwebや大容量の添付メールがより快適に利用できるようになり、新サービス「EZチャンネル」にも初めて対応しました。

さらに、アプリケーションサービスには最新版のEZアプリ (Java) Phase3が採用され、SH-Mobileの搭載によって操作性や起動速度が改善されました。

デザインと外観

端末の外観は、丸みを帯びた形状が特徴で、日立製のA5303Hを彷彿とさせます。また、数少ないホイップアンテナを装備したWIN端末でもあります。EV-DO方式ではダイバーシティアンテナはオプションですが、WIN端末は標準で2基のアンテナを装備しています。ただし、W11Hは初期モデルであるため、ダイバーシティアンテナは搭載されていません。筐体上部は光が透ける素材でできており、着信ランプは素材を生かした独特の演出が施されています。

外部メモリは、本体ではなく、付属の「ジャケット」に搭載されたカードスロットで利用できます。このジャケットは、電池パックのカバーと交換して取り付けます。

その他特徴

利用シーンに応じてマナーモードなどを切り替えられる「気くばりスイッチ」が搭載されています。しかし、このスイッチの搭載はW11Hが最後となりました。兄弟機として、デザイン（筐体）と内蔵コンテンツのみが異なるW11Kが存在します。

発売と対応サービス

W11Hは2003年10月にKDDIと日立製作所から発表され、2003年11月28日に発売されました。対応サービスには、EZチャンネル、EZアプリ (Java)、EZ「着うた」、EZムービー、EZ@Naviなどがあります。特にEZムービーとEZ「着うた」には、「スタジオ」「ライブハウス」「ドーム」の音響エフェクトが搭載されており、迫力ある音声やムービーを楽しむことができました。

まとめ

W11Hは、auの歴史において重要な役割を果たした携帯電話です。先進的な通信技術とサービスを搭載し、ユーザーエクスペリエンスを大きく向上させました。その革新性は、携帯電話の進化における一つの転換点と言えるでしょう。

関連情報

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CDMA 1X WIN

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