W21H

W21Hは、株式会社日立製作所によって開発され、2004年 3月26日に発売された、auブランドを展開するKDDIおよび沖縄セルラー電話のCDMA 1X WIN方式の携帯電話です。

この機種は、WINシリーズ初のメガピクセルカメラを搭載し、着うたに対応したことが大きな特徴です。当時としては高画質な写真撮影が可能になり、音楽コンテンツも手軽に楽しめるようになりました。しかし、EZアプリ、EZチャンネル、EZナビウォークといった、当時普及しつつあったauの主要なサービスには対応していません。GPS機能自体は搭載しているものの、EZナビはブラウザ経由での利用に限られていました。これらの理由から、W21Hはエントリーモデルとしての位置づけでした。

前モデルのW11Hに搭載されていたプロセッサ「SH-Mobile」や、マナーモードなどを切り替えることができる「気くばりスイッチ」も、W21Hでは搭載が見送られました。これにより、よりシンプルな操作性と、コストダウンが図られたと考えられます。

デザインや操作性については、カシオ計算機製のA5401CAに類似している点が指摘されています。これに対し、日立の開発者は、W21Hはあくまで日立が開発した製品であると強調しています。一方で、カシオの関与を完全に否定せず、早期に製品化するために、ある程度の妥協があったことも認めています。この背景には、開発期間の短縮という目的があったと考えられます。

W21Hは、カシオ日立モバイルコミュニケーションズとして合弁事業に移行する前の製品です。この機種の開発には、両社の技術やノウハウが直接的に組み込まれることはなかったものの、その後の合弁事業につながる重要な一歩となりました。

W21H

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