W61SA

W61SAについて

W61SAは、三洋電機が開発・製造し、京セラが日本国内向けに発売したauブランドの携帯電話です。CDMA 1X WINに対応しており、当時の先端技術を搭載していました。W54SAをベースに再設計され、基本的な性能はほぼ同等ですが、いくつかの点で大きな違いがあります。

デザインとディスプレイ

W61SAは、他社の機種にも見られる「Full Front Style」と呼ばれるフルスライド式デザインを採用しています。閉じた状態ではボタンが無く、メインディスプレイのみが存在するのが特徴です。世界初となる3.0インチのフルワイドQVGA有機ELディスプレイを搭載し、高精細で美しい表示を実現しています。さらに、ディスプレイ部にはタッチセンサーが搭載されており、閉じた状態でも一部の操作（ワンセグやLISMOなど）が可能です。

主な機能

FMトランスミッター: W54SAにはない機能として、FMトランスミッターを搭載しています。これにより、Bluetooth対応機器がない場合でも、カーラジオなどで音楽を楽しむことができます。
LISMO: 音楽やビデオクリップを楽しむためのLISMOサービスに対応しています。
EZテレビ (ワンセグ): 携帯電話で地上デジタル放送を視聴できるワンセグ機能を搭載。
EZナビウォーク: ナビゲーション機能も充実しており、音声入力や3Dナビにも対応。
その他: EZ「着うたフル」、PCサイトビューアー、グローバルエキスパート、デコレーションメール、EZアプリ、テレビ電話、Bluetooth、バイリンガル機能、マルチプレイウィンドウ、大修館書店によるモバイル辞典、PCドキュメントビューアー、USB充電、USBクレードル通信など、多岐にわたる機能が搭載されています。

沿革

2008年1月28日: KDDIおよび三洋電機より公式発表。
2008年4月17日: 沖縄地区にて先行発売。
2008年4月25日: 東北地区にて発売。
2008年4月26日: 上記以外の地域で発売。
2008年7月: 販売終了。

不具合と修正

W61SAは、発売後にいくつかの不具合が確認され、度重なるソフトウェアアップデートが行われました。

2008年5月9日: オーディオ機器連携、PCサイトビューアー、スケジュールデータ削除に関する不具合を修正。
2008年5月27日: 文字入力、Eメール・Cメールフォルダ振分け、アラーム設定、ニュースフラッシュ表示に関する不具合を修正。
2008年7月23日: EZニュースフラッシュ、EZweb利用、Eメール通信、カメラ起動、消費電力、受信音に関する不具合を修正。
2008年8月22日: ケータイサイトの会員登録に関する不具合を修正。
2008年10月24日: 2画面状態でのケータイサイト更新、特定サイトの初期値表示に関する不具合を修正。
2009年2月27日: ムービー早送り、ショートカットメニュー削除、Eメール受信に関する不具合を修正。
* 2009年5月27日: EZweb利用、タッチセンサー操作に関する不具合を修正。

これらの修正により、W61SAの安定性が向上しました。

まとめ

W61SAは、先進的なデザインと機能を搭載した携帯電話でしたが、ソフトウェアの不具合による修正が多数行われた点が特徴です。短期間で販売終了となりましたが、当時の携帯電話技術を語る上で重要なモデルと言えるでしょう。特に、世界初のフルワイドQVGA有機ELディスプレイの搭載は、その後の携帯電話のディスプレイ技術に大きな影響を与えました。

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