W54S

W54S (ダブリュー ごーよんエス) の解説

W54Sは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ（現在のソニーモバイルコミュニケーションズ）が、auブランドを展開するKDDIおよび沖縄セルラー電話向けに開発したCDMA 1X WIN対応の携帯電話です。この機種は、同時期に発表された東芝製のW56Tと内部基板がほぼ同一で、多くの共通点を持つ兄弟機として扱われました。

主な特徴

W54Sは、当時のハイエンド携帯電話にふさわしい機能を多数搭載していました。具体的には、以下の点が挙げられます。

EV-DO Rev.A対応: 高速データ通信をサポート。
324万画素AFカメラ: オートフォーカス機能付きの高画素カメラを搭載。
Bluetooth: ワイヤレスでのデータ通信やオーディオ再生が可能。
約800MBの内蔵メモリ: 多くのデータやコンテンツを保存可能。
ワンセグ: 携帯電話で地上デジタル放送を視聴可能。
地上デジタル音声放送実用化試験の受信機能: 当時の新しい放送サービスに対応。
KCP+プラットフォーム: 新しいプラットフォームを採用。
2.8インチワイド有機ELディスプレイ: 高画質で美しい画面表示を実現。

さらに、外部メモリとしてmicroSDカードのみをサポートしており、従来のメモリースティック系には非対応でした。これは、同社のau向け端末としては初の試みでした。

また、W54Sは東芝が製造を委託されており、W56TのOEM機種という位置づけです。そのため、デザインや機能面でW56Tと非常に似通っていますが、日本語入力システムなどの一部仕様に違いが見られました。W56Tに搭載されていた画面が360度回転する「リバーシブルスタイル」は採用されておらず、オーソドックスな折りたたみ式デザインを採用しています。

端末本体の裏側には「QUALCOMM 3G CDMA」と刻印されており、近年のソニー・エリクソン製端末としては珍しい特徴です。

イメージキャラクターとキャッチコピー

W54Sのイメージキャラクターには、W51S、W52S、W53Sと同様に女優の沢尻エリカが起用されました。テレビCMにはダンサーの名取香里が出演し、「Powered by Elegance　ケータイは、エレガントに進化した。」というキャッチコピーで宣伝されました。

早期販売終了の背景

W54Sは、発売直後から新プラットフォーム「KCP+」の不具合が多発しました。同時期に発売された東芝のW56Tや（大阪）三洋電機のW54SAも同様に早期販売終了となり、他のKCP機種よりも早く、公式サイトやカタログから姿を消すことになりました。

沿革

2007年10月16日: KDDIおよびソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズより公式発表。
2008年2月1日: 沖縄地区で発売開始。
2008年2月3日～2月9日: 各地区で順次発売。
2008年2月13日～12月17日: 9回にわたるケータイアップデートが実施。しかし、3月下旬に販売終了。

対応サービス

W54Sは、当時の多くのサービスに対応していました。以下に主なサービスをまとめます。

ライフスタイル

au Smart Sports「Run&Walk」

音楽

au LISTEN MOBILE SERVICE
EZ「着うたフル」
EZ「着うた」
LISMO Music Search
EZ待ちうた

GPS

EZナビウォーク
EZ助手席ナビ
EZガイドマップ
安心ナビ
災害時ナビ
緊急通報位置通知

映像

ワンセグ
地上デジタル音声放送実用化試験
EZチャンネルプラス
EZチャンネル

便利・エンタメ・海外など

EZ FeliCa（おサイフケータイ）
auケータイクーポン
EZニュースフラッシュ
au one ガジェット
EZケータイアレンジ
EZアプリ(BREW) 「Full Game!」対応
au one My Page

メール

デコレーションメール
絵しゃべりメール
ラッピングメール
Touch Message
au one メール

安心

ケータイ探せて安心サービス
安心ロックサービス
アドレス帳預けて安心サービス

その他

テレビ電話
マルチプレイウィンドウ
PCサイトビューアー
オープンアプリプレイヤー
Bluetooth (A2DP, SCMS-T対応)
赤外線通信 (IrSimple)
USB充電対応
USBクレードル通信対応
USB2.0ハイスピード通信対応

関連情報

W56T: 兄弟機であり、OEM元。
SonicStage: 音楽管理ソフトウェア。

外部リンク

W54S (Sony Ericsson)
W54S (au by KDDI) (ウェイバックマシン)
KDDI au: オンラインマニュアル > W54S
W54S - auケータイ探検隊 (au one) (リンク切れ)
NEW COLLECTION 2007 AUTUMN (ウェイバックマシン)
NEW COLLECTION 2008 SPRING (ウェイバックマシン)

W54Sは、高性能な機能を持ちながらも、新プラットフォームの不具合により短命に終わった機種です。しかし、当時の携帯電話の技術進化を語る上で重要な一台と言えるでしょう。

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