WAKU WAKUさせて

中山美穂「WAKU WAKUさせて」：80年代アイドルポップスの金字塔

1986年11月21日、中山美穂の8枚目のシングル「WAKU WAKUさせて」がキングレコードよりリリースされました。この楽曲は、中山美穂自身が出演したフジテレビ系ドラマ『な・ま・い・き盛り』の主題歌として書き下ろされたものであり、彼女のキャリアにおいて重要な転換点となる作品となりました。

オリコンチャート制覇と音楽賞受賞

「WAKU WAKUさせて」は、発売後、瞬く間に人気を博し、1986年12月のオリコン月間シングルチャートで堂々の1位を獲得しました。これは中山美穂にとって、週間チャート、月間チャートともに初の首位獲得という快挙であり、彼女のスター性を決定づける大きな出来事となりました。さらに、同年の『FNS歌謡祭』では、この楽曲で優秀歌謡音楽賞を受賞するなど、その年の音楽シーンを代表するヒット曲となりました。

多様なアレンジとロングヒット

「WAKU WAKUさせて」の成功は、シングルリリースにとどまりませんでした。1986年12月には、よりダンスミュージック的なアレンジが施された「PARTY VERSION」を収録した12インチ・シングルがリリースされ、後にベストアルバム『中山美穂 パーフェクト・ベスト2』にて初のCD化が実現しました。ただし、この「PARTY VERSION」のインストゥルメンタルは、シングルバージョンとイントロ部分の長さが同じなものの、バックトラックの内容は異なる点が特徴的です。

カップリング曲である「ハートのスイッチを押して」も、音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』や『ロッテ歌のアルバムNOW』などで披露され、高い人気を獲得しました。中山美穂のプロデューサーを務めた福住朗氏はこの曲を、中山美穂がシンガーとして大きく成長した証、記念碑的作品と評しています。

数々のアルバムへの収録とカバー

「WAKU WAKUさせて」は、リリース後、数々のアルバムに収録され、現在も聴くことができます。『EXOTIQUE』『COLLECTION』『Dramatic Songs』といった彼女の代表的なアルバムはもちろんのこと、『Pure White Live '94』といったライブアルバムにもシングルメドレーの一部として収録されています。さらに、『中山美穂 パーフェクト・ベスト』、『中山美穂 パーフェクト・ベスト2』、『30th Anniversary THE PERFECT SINGLES BOX』といったベスト盤にも欠かせない楽曲となっています。

一方、「ハートのスイッチを押して」も、『EXOTIQUE』、『Miho's Select』、『YOUR SELECTION 2』、『Complete SINGLES BOX』、『30th Anniversary THE PERFECT SINGLES BOX』などに収録され、彼女の代表曲として長く愛されています。

また、「WAKU WAKUさせて」は多くのアーティストによってカバーされており、その人気は世代を超えて広がり続けています。桃井かおり、ジュンリー・ウィズ・毛皮族、kaoru、石坂ちなみ、MAX、ジャネット・ケイ(Janet Kay)、放課後プリンセスといった多彩なアーティストが、それぞれの個性を活かした解釈でこの曲を歌い継いでいます。さらに、テレビ番組の企画として、水森かおり・千昌夫・山本譲二や南野陽子もカバーしています。

80年代アイドルポップスの名曲

「WAKU WAKUさせて」は、松本隆による作詞、筒美京平による作曲、そして船山基紀による編曲という、日本の音楽史に残る豪華な制作陣によって生み出された作品です。軽快なリズムとキャッチーなメロディー、そして中山美穂のキュートな歌声が三位一体となったこの曲は、80年代アイドルポップスを代表する名曲として、現在も多くのリスナーに愛され続けています。その輝きは、時代を超えて色褪せることなく、これからも多くの人々の心をWAKU WAKUさせ続けることでしょう。

もう一度検索