WJプロレス

WJプロレス（ファイティング・オブ・ワールド・ジャパン）

WJプロレスは、2002年に設立された日本のプロレス団体で、運営はファイティング・オブ・ワールド・ジャパンが行っていました。そのキャッチフレーズには、「目ん玉飛び出るようなストロングスタイル」という強烈なフレーズが掲げられていましたが、その実態は短命に終わる苦難の道のりでした。

設立の背景

WJプロレスの設立には複雑な経緯があります。2002年2月、長州力が新日本プロレスの現場監督を退任し、同時期に盟友の永島勝司も全日本プロレスから引き抜かれて退社。その後、二人は「リキ・ナガシマ企画」を設立し、スポンサーを探し始めました。彼らは北海道を本拠地とする大星企業グループの福田政二の協力を得て、2002年11月にWJプロレスを設立する運びとなりました。

組織は設立前から多くの資金を確保し、道場の開設や選手獲得を進めました。特に、旗揚げ戦に向けての準備には、さまざまな著名選手を招くことで観客の注目を集めようとしましたが、この大規模な投資が後に破綻の一因となることが予見されました。

旗揚げ興行

2003年3月1日、WJプロレスは横浜アリーナで旗揚げ戦を行いました。この日は、他団体のビッグマッチと重なっていたため、注目を集めましたが、実際はこの日が唯一の成功と言える日でした。旗揚げ戦では、馳浩や大仁田厚といった選手が参加して盛況を誇りましたが、長州と天龍源一郎の対決が実現できなかったことは、今後の苦境を示唆していました。

経営の悪化とトラブル

旗揚げから数ヶ月後、WJは観客動員に苦しむようになり、資金繰りが厳しくなりました。さらに、練習中の事故でジャイアント落合が亡くなるという悲劇が起き、その悪影響は経営をさらに圧迫しました。これにより、ギャラの未払いが発生し、選手が次々と退団していく事態となりました。

特に、鈴木健想や谷津嘉章といった重要な選手が相次いで退団し、谷津は「WJのフロントはインディー団体を理解していない」と厳しく批判しました。また、興行計画の中止や、興業そのものの不振は続き、観客からの信頼を失う結果となりました。

最終的な崩壊

その後、選手との契約解除やスポンサーの撤退が相次ぎ、2004年にはWJの経営はさらに困難を極めました。大森や越中は他団体に流出し、そして最終的に8月にはWJから多くの選手が流出して新たに設立した「リキプロ」が台頭しました。WJは設立から1年5ヶ月の短い存続を経て、その幕を閉じることとなります。

まとめ

WJプロレスの設立は、長州力や永島勝司による新しい試みでしたが、数々のトラブルや経営不振が重なり、最終的には崩壊を迎えました。この物語は、日本のプロレス団体の運営がいかに挑戦的であったかを物語っています。

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